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Salesforce、自律型AIエージェント構築プラットフォーム新版「Agentforce 2dx」を4月より提供

 米Salesforceは現地時間5日、自律型AIエージェント構築のためのプラットフォーム「Agentforce」について、最新版となる「Agentforce 2dx」を発表した。Agentforce 2dxのリリース完全版は2025年4月に提供開始予定。一部の機能は5日から先行公開されている。

 Salesforceでは、今回のリリースにより、Agentforceはユーザーが開始するリアクティブなチャットインターフェイスの域を越え、AIエージェントが常時人間の監視なしでも、裏でプロアクティブに機能しながら、あらゆる種類の顧客や従業員の新たな業務フローを実現できるようになるとしている。

 Agentforce 2dxでは、Salesforce開発者がAgentforceをより迅速に構成、テスト、展開できる新しいローコードおよびプロコードツール群がリリースされた。これらを高度な分析機能と組み合わせることで、チームはリアルタイムデータとガイダンスを活用しながら、AIエージェントのパフォーマンスを監視、デバッグ、最適化できる。

 また、Salesforceはこれらのツールを試すことができる完全無料の環境として、Agentforce Developer Editionの提供を開始した。開発者はこの環境でAgentforceを利用し、AIエージェントのプロトタイプを作成することや、SalesforceのハイパースケールデータエンジンであるData Cloudの機能を試すことができる。

 さらに、SalesforceはAgentforce向けのマーケットプレイスおよびコミュニティ「AgentExchange」を発表した。AgentExchangeは、Salesforceに組み込まれており、急成長するデジタル労働力の市場への参入機会がパートナーへ提供されると説明。AgentExchangeのすぐに利用可能なテンプレートやアクションのライブラリにより、Agentforceの導入を加速させることで、企業は時間とリソースを節約でき、また、パートナーは自社のコンポーネントをリストに掲載・販売することで、成長するAIエージェント市場でのシェア拡大を図れるとしている。

 Agentforce 2dxでは、新しい開発者向けツールとAgentExchangeとともに、Agentblazerコミュニティを立ち上げた。これは、Salesforceの管理者、開発者、CTO、CIOをはじめとするITリーダーがベストプラクティスを共有し、Trailheadでスキルを習得しながら、AIエージェントファーストの企業づくりを推進できる包括的なグループとなる。

 自律型AIエージェントの導入に向けては、新しいツールを活用することで、Agentforceをあらゆる環境に組み込み、あらゆるユースケースに応じた柔軟なカスタマイズが可能となったと説明。新機能として、Agentforceをバックエンドのプロセスや他のシステムとアプリケーションに直接統合できる新しい「Agentforce API」や、AgentforceをSalesforceのビジネスロジックに組み込める「Agentforce Invocable Actions」、自然言語を使用してMuleSoft APIからAgentforceのトピックとアクションを作成できる「MuleSoft for Agentforce」などのツールを紹介した。

 また、Agentforceには、新しいローコードおよびプロコードツールが含まれており、管理者や開発者が構想、構築、展開、管理を組織全体で行えるよう支援すると説明。これらのツールは、単一のアーキテクチャ上に統合されたプラットフォームの一部であり、DevOps Centerやコマンドラインインターフェイス(CLI)など、開発者が日常的に使用する業務フローに完全に統合されているとしている。