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セキュリティアプリの導入が世界で急増、日本では「Notion」の利用が急拡大――Oktaの業務アプリ利用動向調査

 Okta Japan株式会社は1日、業務アプリケーションの利用動向に関する年次調査「Businesses at Work 2026」の結果を発表した。

 同調査は、業務アプリとOktaを接続する連携基盤「Okta Integration Network」(OIN)の匿名化データを分析したもの。今回の結果は、2024年11月1日から2025年10月31日までのデータに基づいている。

 説明にあたったOkta Japan APJプロダクトマーケティング部 シニアマネージャーの高橋卓也氏によると、今年グローバルで最も急成長している業務アプリ上位10アプリのうち、半数がセキュリティソリューションだったという。

Okta Japan APJプロダクトマーケティング部 シニアマネージャー 高橋卓也氏

 成長率が最も高かった上位2つのアプリケーションもセキュリティ関連アプリで、1位がエンドポイント管理ツールの「NinjaOne」(前年比240%増)、2位がサイバー攻撃を検知し防御する「CrowdStrike Falcon」(同66%増)だった。

最も急成長した業務アプリ

 成長率を国別で見ると、米国ではグローバルでもトップだったNinjaOneが前年比240%増で1位。日本ではAIワークスペースツールの「Notion」が25%増でトップとなった。

 高橋氏は、「グローバルではセキュリティアプリケーションの導入が急増している。AIが浸透して新たな脅威が登場し、セキュリティへの投資が再度復活しているのがグローバルの傾向だ。一方、日本ではコラボレーション系アプリケーションが伸びている。今回トップのNotionをはじめ、『Google Workspace』や『GitHub』などが引き続き急成長している」と説明する。

 グローバルで最も利用されている業務アプリは、1位が「Microsoft 365」、2位がGoogle Workspace、3位が「Amazon Web Services」(AWS)、4位が「Salesforce」、5位が「Zoom」と、上位の顔ぶれに大きな変動はない。一方で、6位の「Slack」や8位のGitHubは順位を上げており、デザインツールの「Figma」も11位へと躍進した。

最も利用されている業務アプリ

 日本国内でもトップ3はグローバルと一致しているが、4位はSlack、5位はBoxと、日本市場独自の傾向も見られた。日本で成長率トップだったNotionは、9位に初ランクインした。

非人間アイデンティティの増加で管理が複雑化

 1社あたりの平均導入アプリ数は、グローバルで98個と前年の101個から3%減となった。米国は平均109個で前年比4%減だが、日本は平均53個で前年比15%増だった。企業規模別では、従業員数2000人以上の大企業は昨年の平均247個から259個へと5%増加し、従業員数2000人未満の中小企業では昨年の平均71個から72個へと1%増加した。スタートアップでは前年比10%増の46個だった。

1社あたりの平均導入アプリ数

 アプリの数だけでなく、アイデンティティの数も増えている。中でも、非人間アイデンティティ(NHI:Non-Human Identity)の増加により、「アイデンティティ管理が複雑化し、人手で管理することが困難になりつつある」と高橋氏は指摘する。

 NHIとは、自動化プロセスやAIエージェントが社内リソースにアクセスする際に利用されるサービスアカウントなどのことだ。現在、一元管理されているサービスアカウントの数は1社あたり1~5個が主流だというが、大量のデータを扱うメディア・通信業界では1社あたり平均78個、テクノロジー業界では平均28個となっている。特権アクセス管理(PAM)などによって一元管理されるサービスアカウント数の成長率に至っては、全体で前年比650%増と、劇的に増加していることがわかる。

急増するNHIの一元管理

 高橋氏は、「多くの企業でAI活用が検討される中、今後は人間だけでなくAIもひとつのアイデンティティとしてとらえる必要がある。AIが導入された後では、組織内に分散した膨大なアイデンティティを可視化することが困難になるため、今の段階からすべてのアイデンティティを適切に可視化する仕組みを検討しておくべきだろう」と述べた。