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富士通、AIが人と協調し自律的に高度な業務を推進する「Kozuchi AI Agent」

第1弾として、生産的な結論の導出を支援するAI会議エージェントを提供

 富士通株式会社は23日、AIが難易度の高い業務を自律的かつ人と協調して推進できるサービス「Fujitsu Kozuchi AI Agent」を開発したと発表した。「Fujitsu Uvance」のオファリング(製品・サービス)の1つであるオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を通じ、グローバルに提供を開始する。なお今回はまず、損益や商談に関する打ち合わせに、AIが自ら参加して適切な情報の共有や施策を提案する会議AIエージェントを提供開始した。

 「Fujitsu Kozuchi AI Agent」は、AIが自律的に考え、組織やプロジェクトの一員として現場業務に入り込み、適切な情報の共有や施策を提案することで、人々が新しい知見やひらめきを得て創造的な活動を実現できるように支援するソリューション。

 人々の抽象的な会話から、富士通独自の処理ロジックで本質的な課題を抽出し、解くべきタスクを生成するほか、それらのタスクを解くためのプランを作成し、プランを実行するための最適なAIを、富士通の生成AIのノウハウに基づくシミュレーション生成によって複数選定するという。

 選定対象のAIとしては、富士通の企業向け大規模言語モデル(LLM)である「Takane」、高度な機械学習モデルを短時間で生成する「Fujitsu Kozuchi AutoML」をはじめとした同社のAIに加え、他社のAIも利用可能とのこと。

 続いて「Fujitsu Kozuchi AI Agent」は、こうして選択された各AIにタスクの実行を指示するとともに、各AIから得られた実行内容をもとに課題解決策を考え、適切なタイミングで人々に明示し、提案を行うとした。

 最初に提供される会議AIエージェントの場合は、例えば、必要な会議に参加し、「アジア地域の売上が昨年の半分になっているらしい」という会議参加者の発言を踏まえて、データ分析を行うAIを複数選択し、実行を指示する。

 その結果、会議AIエージェントが、「昨年度および今年度の地域ごとの4月から9月時点の売上額を棒グラフで提示します。グラフを見ると分かる通り、他の地域はおおむね昨年と同等または微増となっていますが、アジア地域だけは昨年比54%と、ほぼ半減していることが読み取れます」といった的確な回答を自律的に提示。会議のスムーズな進行や生産的な結論の導出をサポートして、会議の生産性向上に貢献するとしている。

 なお富士通は今後、生産管理や法務などの業務に特化したAIエージェントを、2024年度中に順次拡充するとともに、新たな働き方改革を実現する「Work Life Shift」をはじめとする、「Fujitsu Uvance」のほかのオファリングにも組み込み、提供する予定とのこと。