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富士通、複数言語対応のAIアバターがプレゼンテーションを行う「Fujitsu AI Auto Presentation」を開発
2025年6月23日 08:30
富士通株式会社は19日、AIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として、AIアバターがプレゼンテーションや質疑応答を行う技術を開発したと発表した。
同技術は、ユーザーが指定したPowerPointのプレゼンテーション資料をAIが読み込み、説明文を自動的に生成することで自動でプレゼンテーションを行うほか、あらかじめRAG(検索拡張生成)に組み込んだ資料に基づいて質疑への回答を生成し、事前に設定したAIアバターを介して音声によるインタラクティブな応答を行う。Fujitsu Research Portalで法人の顧客向けに、トライアル環境の提供を開始した。
また、同技術を発展させ、AIソリューション事業を手掛ける株式会社ヘッドウォータースとの共同開発により、Microsoft 365 Copilotの宣言型エージェントとして技術を利用できる「Fujitsu AI Auto Presentation」を開発し、2025年度第2四半期から富士通内で社内実践を行い、2025年度第3四半期中に顧客への提供を開始する予定。
Fujitsu AI Auto Presentationでは、ユーザーがMicrosoft 365 Copilotとチャットで対話をしながら、ユーザー自身の顔や声を模したAIアバターを作成し、プレゼンテーションの説明文を作成できる。技術的な知識は必要とせず、誰でも容易にAIアバターによる自動プレゼンテーションを活用できるだけではなく、今後、Microsoft TeamsやPowerPointのアプリケーションからシームレスに利用可能となる。
Fujitsu AI Auto Presentationは、各スライドの文字数と、全体の説明時間の制限時間を指示することで、各スライドの説明時間を決定し、説明文を自動生成して、自動的にスライドを切り替えてプレゼンテーションを実行できる。音声認識技術、大規模言語モデル(LLM)、音声合成技術をベースに、プロンプトを入力することで、AIアバターが説明する内容をスライド単位に制御でき、自動生成文や、固定文、指定文の挿入、文体制御など多様なカスタマイズが可能。
30か国語以上に対応し、日本語で作成したスライドを英語でプレゼンテーションするなど、基の資料で使用されている言語に限定せず、さまざまな言語でプレゼンテーションができる。また、日本語に適したモデル、英語に適したモデルなど、言語ごとに最適な音声合成モデルを設定できる。
富士通は、時間や場所、人のスキルなどさまざまな環境に左右されないプレゼンテーションや質疑応答を可能とし、均一な情報提供と業務効率化の実現を通して、富士通のマテリアリティ(必要不可欠な貢献分野)の一つであるデジタル社会の発展に貢献していくとしている。