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数十ページにおよぶPDFも要約可能――、日本マイクロソフトがCopilotのメリットを解説

 日本マイクロソフト株式会社は5日、「Microsoft Copilot」に関するプレスセミナーを開催、Copilotでできることや効果的なプロンプトの作成方法などを紹介した。

 セミナーの冒頭にて、マイクロソフト ディベロップメント株式会社 WWE Japan 開発統括本部 プロダクト マネージャーの篠塚祐紀子氏は、Copilotの特徴について解説。「Copilotは、OpenAIとマイクロソフトの協力によって開発されたもので、テキストを理解し生成するGPT-4およびGPT-4 Turbo、コードを理解し生成するCodex、テキスト入力から画像を生成するDALL-E 3で構成されている。Bingの検索アルゴリズムも融合し、引用元を示してより適切な回答を生成しており、マイクロソフトの責任あるAIの原則に沿って提供されている」と述べた。

Copilotの特徴

 続いて篠塚氏は、Copilotを活用できるケースをいくつか紹介。個人用途では旅行や趣味のサポート、日々の悩みの解決などで利用できるほか、ビジネス用途では欠席した会議の内容をキャッチアップしたり、Word文書から説得力のあるプレゼン資料を作成したり、長い文書から要点を抽出したりすることが可能だとした。

Copilotの活用例

 Copilotは、Windowsやブラウザ、モバイルアプリなど、さまざまなプラットフォームで利用することが可能だが、一般ユーザーが最もアクセスしやすいのは、Copilotのページ(https://copilot.microsoft.com/)や、ブラウザのEdgeから利用する「Copilot in Edge」だろう。

マルチプラットフォームで使えるCopilot

 篠塚氏は、「Copilot in Edgeを利用して、サイト上の記事を要約できるほか、ビデオの要約や社内のSharePointサイトの要約も可能だ」と話す。また、「Copilot in Edgeでは、サイト上のPDFやローカルにあるPDFも要約できる」として、数十ページにもおよぶPDFをCopilot in Edgeで瞬時に要約するデモを披露した。

Copilot in EdgeではサイトやPDFの要約も可能

効果的なプロンプトを書くコツは?

 「生成AIの力と可能性を引き出すには、良いプロンプトを書くこと」とは、米MicrosoftのOffice of the CTO所属 主任エンジニア、Jennifer Marsman氏によるコメントだ。この言葉を踏まえ、篠塚氏は効果的なプロンプトを書くコツとして、「目的を説明すること」「場面と役割を設定すること」「回答の表現や出力方法を伝えること」の3点を挙げた。

 まず、1点目の目的を説明することについて篠塚氏は、「何を解決したいか、何を知りたいかを伝え、複雑な指示は各ステップに分割して伝えるように」とした。例えば、「このPDFの要点をまとめて」や、「以下のステップに従ってください:1.~の利点を3つ列挙 2.~の欠点を3つ列挙」といった具合だ。

 2点目の場面と役割を設定することとは、「ロールプレイをするように役割を定義し、関連性のある具体的なコンテキストを提供すること」と篠塚氏。具体的なプロンプトとして、「来週就職面接があります。そのための準備やよくある面接の質問についてアドバイスしてください」といった例を挙げた。

 3点目の表現や出力方法を伝えることについては、プロンプトの例として「かしこまった表現の季節の挨拶を教えて」や、「カジュアルなトーンでメールを書いて」などを挙げた。

 篠塚氏は、「これらのコツを用いて具体的な指示をし、1回の回答で満足できない場合は同じセッション内で続けて条件を入力するといい」とアドバイス。その一方で、「これらはあくまでもコツなので、まずは自然な会話にまかせて気軽にCopilotを使ってほしい」と述べた。

マイクロソフト ディベロップメント WWE Japan 開発統括本部 プロダクト マネージャー 篠塚祐紀子氏