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日本マイクロソフト、企業向けAI支援サービス「Microsoft 365 Copilot」の機能を解説

 日本マイクロソフト株式会社は27日、AI支援サービス「Microsoft Copilot」について説明会を開催した。Microsoft Copilotは、9月26日に提供開始されたWindows 11の22H2アップデートをインストールすることで、プレビュー版が利用できるようになっているが、企業向けのサービス「Microsoft 365 Copilot」は11月1日より正式に提供開始となる。

 その企業向けMicrosoft 365 Copilotは、1ユーザーあたり月額30ドルで提供される予定だ。日本マイクロソフト 業務執行役員 モダンワークプレイスGTM本部 本部長の山田恭平氏は、「Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365のアプリケーションと連携してユーザーの作業を支援する」としており、この連携によってWordやExcel、PowerPoint、Outlookなどのアプリケーションにどのような機能が加わるのか説明した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 モダンワークプレイスGTM本部 本部長 山田恭平氏

 まずCopilot in Wordでは、原稿案の自動生成ができるようになるほか、資料や長い文章の要約も可能だという。また、Wordで作成されたドキュメントの編集や書き換えができ、文章の追加やトーンの変更、文章量の調整なども可能になるとしている。

 Copilot in Excelでは、データの自動集計や数字のまとめ直し、多角的な分析、そして最適なグラフの生成や視覚化が可能だ。ExcelでのCopilot機能は、日本語版のリリース時期は未定となっているものの、英語では11月1日より利用できる。

Copilot in Word
Copilot in Excel

 Copilot in PowerPointでは、Wordで書いた原稿を企画書に変換したり、画像を挿入したりすることが可能になる。また、プレゼンの資料を自動生成し、文字情報から関連する画像を挿入したり、アニメーションをつけたりといったこともできる。さらには、スピーカーの話す内容をノートに要約することが可能なほか、レイアウトの調整、書式の変更などにも、指示を出すだけで対応する。

 Copilot in Outlookでは、メールの優先順位付けができるほか、大量のメールを要約して整理できるようになる。また、返信時も最適な文章を自動生成し、文章のトーンや長さも指示によって調整できる。

Copilot in PowerPoint
Copilot in Outlook

 Copilot in Teamsでは、オンライン会議でどのような議論が行われているのか、会議の内容を途中でも要約する。チャット上でのやり取りの要点も整理するほか、議論の内容から誰が何をするべきか指示する機能も提供される。

 さまざまなMicrosoft 365アプリケーションを横断して情報を探し出すMicrosoft 365 Chatでは、多様なソースから情報を集約して要約した上で指示をするため、アプリケーションにまたがるような作業が容易になるとしている。

Copilot in Teams
Microsoft 365 Chat

 日本マイクロソフト モダンワークプレイスGTM本部 シニアGTMマネージャーの影山三朗氏によると、Excelを除くCopilot対応アプリケーションは、日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語、中国語にて提供されるという。また、法人向けサービスが提供されるのを機に、Microsoft 365 Copilotを有効活用する方法について紹介するウェブサイト「Copilot Lab」も同時期に展開する予定で、同サイトでCopilotのプロンプトの書き方やAIの能力の引き出し方などが学べるとしている。

 さらに影山氏は、Copilot製品群が著作権侵害の心配なく利用できる「Copilot Copyright Commitment」についても言及。「Copilot Copyright Commitmentは、Copilotが生成した画像やテキストを利用している顧客が第三者から著作権侵害で訴えられた場合、マイクロソフトが顧客を弁護し、訴訟の結果生じた不利な判決や解により課された金額を支払うものだ」と説明、「これは、マイクロソフトの責任あるAIの基本原則に沿ったものだ」と述べた。

日本マイクロソフト モダンワークプレイスGTM本部 シニアGTMマネージャー 影山三朗氏
Copilot Copyright Commitment