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IBM、生成AIを活用したコード生成機能「watsonx Code Assistant」を発表

当初はAnsible Playbook作成、メインフレームアプリケーション移行のユースケースに対応

 米IBMは現地時間10月26日、企業の開発者やITオペレーターが、自然言語プロンプトを使用してコーディングできるように支援する、生成AIを活用したコード生成機能を備えた「watsonx Code Assistant」を発表した。

 watsonx Code Assistantは現在、2つの特定の企業ユースケースに対応している。1つ目は、「watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeed」によるITオートメーションで、ネットワーク設定やコードのデプロイなどのタスクに対応する。

 Ansible Automation Platform は、企業の開発者やITオペレーターが、インフラストラクチャー管理、ハイブリッドクラウドの展開、ネットワーク設定、アプリケーションデプロイメントといったITタスクに対して、Ansible Playbookを使用して自動化を実装できるよう支援する。

 IBM watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedを使用することで、プラットフォームのユーザーは、平易な英語のプロンプトを入力して、タスクの作成と保守のベストプラクティスに準拠した、Ansible Playbookの推奨タスクを自動的に生成できる。これにより、より多くのチームメンバーがより効率的にAnsible Playbookを作成することや、詳細なトレーニングを受けなくても、回復力が高くサポートが容易になるように設計された自動化を実装できる。

 もう1つの企業ユースケースは、「watsonx Code Assistant for Z」によるメインフレームアプリケーションのモダナイゼーションで、IBM Z上でCOBOLからJavaへの変換を行う。

 IBM watsonx Code Assistant for Zは、IBM Z上でCOBOLからJavaへの迅速な変換を可能にし、プラットフォーム上における開発者の生産性向上を実現する。顧客がIBM Zのパフォーマンス、セキュリティ、レジリエンシーを活用しながら、生成AIと自動化ツールを活用してメインフレームアプリケーションのモダナイゼーションを加速できるように設計されている。

 watsonx Code Assistant for Zは、まず、アプリケーションディスカバリー機能から開始し、アプリケーションとその依存関係の技術的理解を分析する。次に、自動リファクタリング機能により、アプリケーションディスカバリーで取得した情報を活用して、モノリシックなアプリケーションを、モジュール化されたCOBOLビジネス・サービスに分解するために選択された要素を特定する。最後に、生成AIを活用して、個々のCOBOLビジネス・サービスをオブジェクト指向Javaコードに変換する。ライフサイクルにおける次のステップは検証テストで、将来のリリースでは、新しいCOBOLまたはJavaサービスを検証するための、自動テストケースの生成をサポートする予定としている。

 また、IBM Consultingでは、watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedと、watsonx Code Assistant for Zを活用した、継続的な自動化、Ansible Playbookの生産性、品質改善、ITオペレーションの変革を実現できるよう顧客と協業し、さらに、IBM Z上のモダナイズを図るべき適切なアプリケーション領域を特定できるよう支援するとしている。