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アライドテレシスがネットワーク管理ツール「AT-Vista Manager EX」強化、他社製品の検出などが可能に

自社アクセスポイントやスイッチの機能強化も実施

 アライドテレシス株式会社は16日、ネットワーク統合管理ソリューション「AT-Vista Manager EX」のファームウェアバージョンアップと、スイッチ/ルーター製品のOS「AlliedWare Plus」のファームウェアバージョンアップにより、一部製品の機能拡張を実施すると発表した。ベンダーの垣根を越えて、ネットワークに接続されている機器の探索と状況把握が可能になるという。

 AT-Vista Manager EXは、有線LANや無線LAN、あるいはIoTデバイスなどをグラフィカルに集約して一元管理できるようにする統合ネットワーク管理ソフトウェア。今回はVer.3.11.0へのバージョンアップにより、ネットワーク全体を俯瞰(ふかん)し自律的に管理するソリューション「AMF Plus」を導入したITインフラ環境において、デバイスディスカバリーやヘルスモニターなどの機能を拡張するとした。

 このうちデバイスディスカバリーは、スイッチやルーターなどの機器を発見して管理できるようにする機能。AMF Plusを搭載した自社製品のみならず、他社製ネットワーク機器、IPカメラやスマートフォンなどの端末、工場の生産ラインに設置されたOT機器など、ネットワークに接続されたさまざまな種類の機器を探索できるようにする。また探索されたデバイスは、AT-Vista Manager EXの資産管理画面やトポロジーマップ画面で視覚的に把握できるため、ネットワーク全体を俯瞰的に管理可能になるとのこと。

 一方のヘルスモニターは、ネットワークに接続された機器の“健康状態”をモニタリングする機能。今回の強化では、SNMPの標準MIBを使用することで、デバイスディスカバリー機能で発見された他社製機器のハードウェア情報や、パケットロス、レイテンシーなどの通信パフォーマンス情報の収集できるようになる。さらに、収集したこれらの情報は、AT-Vista Manager EXのヘルスモニター画面上でグラフなどにビジュアル化されるため、通信パフォーマンスの健全性の確認やトレンド分析を容易にし、エージェントレスなネットワーク管理を実現するとしている。

 またAT-Vista Manager EX Ver.3.11.0では、無線LAN環境の快適度表示機能の強化、ユーザーと無線端末をひも付けて簡単に資産管理できる機能への対応が行われた。

 前者については、AT-Vista Manager EXが提供する無線快適度表示画面で、無線端末の推定位置、電波・受信状態をアイコンなどで表示する「Client Radio Clip」に対応する。フロア全体での無線通信の快適度だけでなく、各無線端末の快適度の確認を行えるようになるので、通信環境の改善やトラブルシューティング用途で活用できるという。

 対応製品は、AT-TQ5403、AT-TQ5403e、AT-TQ6602、AT-TQ6602 GEN2、AT-TQ6702 GEN2の各機種である。

 後者のユーザーと無線端末のひも付けでは、AWC-SDF(無線資産アドバンスド・コントロール)により、AT-Vista Manger EXが提供するGUI画面上で、接続端末とその利用者を簡単に登録し、端末の接続状況をリアルタイムに把握できるようにする。

 例えば、複数の拠点に配置したVista Manager mini(アライドテレシスのVPNルーターやスイッチに搭載される管理機能)によって各拠点の無線LAN環境を管理している場合、それらをAT-Vista Manager EXのリモートモニターで集中管理し、各無線LAN環境に接続された未確認端末のMACアドレスを、ユーザー情報にひも付けて登録可能になるとした。なお、端末利用者はわかりやすい画面で簡単に登録処理を行えるため、管理者は作業負担を軽減できるとしている。

 対象製品は、AT-TQ6602 GEN2、AT-TQ6702 GEN2、AT-TQm6602 GEN2、AT-TQm6702 GEN2である。

 このほか、x230シリーズ、x320シリーズ、x550シリーズ、x950シリーズ、AT-SBx908 GEN2といったスイッチ製品では、マルチプルVLANにおけるクライアント側のポートに複数のVLANを重ねられるUFO VLANに対応。x530Lシリーズ、AT-SBx908 GEN2では、別途、専用ライセンスを購入することで、マイクロ秒単位の高精度な時刻同期を可能とする、PTP(Precision Time Protocol) Transparent Clockに対応する。

 これらの新機能は、AlliedWare PlusファームウェアVer.5.5.3-1.3へのバージョンアップにより利用可能になるとのことだ。