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日本IBM、デジタル変革の共通基盤を提供する「デジタルサービス・プラットフォーム」をマルチクラウド化

IBM Cloudに加えてAWSやAzure上でも提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は30日、業界や事業特性ごとに共通して必要となるデジタル変革の共通基盤を提供する「デジタルサービス・プラットフォーム(IBM Digital Services Platform:以下、DSP)」について、IBM Cloudに加えてAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど、マルチクラウドへの対応を発表した。

 複数のクラウド環境を活用するケースが増える中で、それぞれのクラウドとDSPが連携することで、顧客の全社的なデジタル変革を加速する。また、DSPを機能ごとに分割し、単一機能での導入や、既存の顧客クラウド環境への導入や既存運用との連携など、柔軟な導入を可能にした。

 IBMがこれまでのデジタル変革で培ったノウハウをソリューション化したDSPにより、ビジネスの変化に追随して、柔軟かつ迅速に拡張できるアプリケーションの実現と、テクノロジーを活用した運用自動化・高度化、さらには顧客体験の向上を図っていく。

 日本IBMでは、2020年に金融サービス向けとして提供を開始したDSPは、戦略や顧客ニーズに柔軟かつ迅速に対応する「かえやすい」、外部サービスの活用や協業を可能にする「つなぎやすい」、データに基づいた意思決定を支える「わかりやすい」という3つの要件を有することで、金融機関の経営に自由度をもたらし、デジタル変革とモダナイゼーションを推進してきたと説明。2023年3月までに、28の金融機関で採用されているという。

 今回発表するマルチクラウドに対応したDSPは、自社に最適なクラウドサービスの選択を可能にするだけでなく、クラウドが本来提供する価値を最大限に引き出すことを目指していると説明。その代表的な例として、新たに提供する「DevSecOpsパイプライン・ビルダー」は、迅速かつ柔軟なアプリケーション開発とその展開を可能にし、「AIを活用したIT運用サービス」は運用監視の自動化と高度化を実現するとしている。

 これらの機能・特徴は、金融業界だけでなく全ての業界で利用でき、さらに今後は、さまざまなクラウドやオンプレミスにも提供範囲を拡大していくと説明。また、「業務マイクロサービス」は現在、金融サービス、クレジットカード、ヘルスケアの業務をサービス部品化しているが、今後は保険やヘルスケア、流通、製造などの業界向け、さらにサステナビリティ、エンタープライズAI、メタバースなどの用途に応じたマルチインダストリープラットフォームとしてDSPの拡充を進めていくとしている。