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日本IBM、金融サービス向け「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」に「データ利活用サービス」を追加

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は6日、経営レベルの課題解決を金融業界の顧客とともに推進するための包括的な枠組み「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」において、業界知識や経験とアナリティクスを融合させてデジタル変革を推進するための「データ利活用サービス」を新たに追加すると発表した。

 また、「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」の中核ソリューションである「金融サービス向けデジタルサービス ・プラットフォーム (IBM Digital Services Platform for Financial Services、以下、DSP)」のDSP基盤が、IBMのパブリッククラウドであるIBM Cloud上で3月末に稼働を開始したことを明らかにした。

 日本IBMでは、「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」を2020年6月に発表し、フレームワークのソリューションを通じて多くの金融機関を支援している。取引チャネル増強を図るための他社アプリケーションと、自社の基幹系システムをスピーディーに接続するためにDSPを導入するなど、2021年4月時点ではメガバンクや地銀を始めとした20社の金融機関にソリューションが活用されているという。

 日本IBMでは今回新たに、5つのタスクで構成される「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」に、「データ利活用サービス」のタスクを追加した。「データ利活用サービス」は、データの収集、分析、活用、販売といったデータに関する一連のプロセスを提供し、データが生み出す価値を最大化することで、顧客の競争力向上を支援する。

 「データ利活用サービス」では、IBMが国内およびグローバルで培ってきた金融ビジネスに対するスキルや知見と、リサーチ部門の研究員やデータサイエンティストによるAIなどの先進的なテクノロジーを駆使する技術力により、データを価値に変えるデジタルトランスフォーメーションにともに取り組む。具体的には、金融機関のデータ収集、データ処理やデータ分析のレベルアップ、データ利活用ユースケースのナレッジ提供や実行自動化、加工データの外部提供・販売などを包括ソリューション化し、顧客の利益増強を支援する。

 「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」の「DSP」では、すでに標準的なインターネットバンキングやモバイルバンキングのメニューを実装するにあたって必要となる、認証、諸届、口座照会、振替、資金移動など、銀行サービスとしてミッションクリティカルな更新系業務を含めた業務マイクロサービスをAPIで提供しており、今後はより幅広い業務のマイクロサービス化を拡充していく。

 また、DSP基盤は、当初の予定通りIBM Cloud上で3月末に稼働を開始した。日本IBMでは、さらなる拡充を目指して、2021年6月に向けて開発者ポータルやCICD環境(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)などの付加価値サービスの充実を図っていくと説明。さらに今後は、利用金融機関やビジネスパートナーの開拓に注力することで、DSPを活用するエコシステムの拡大をより一層進めていくとしている。