ニュース

日本IBM、金融機関向けデータ利活用プラットフォーム「IBM Consulting Data Utilization Platform for Financial Services」を提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は7日、金融機関のデータ活用をさらに推進していくため、データ利活用に必要な一連の業務を包括的に提供するSaaS型データ利活用プラットフォーム「IBM Consulting Data Utilization Platform for Financial Services(以下、DUP)」を提供開始した。

 日本IBMでは、多くの金融機関が経営環境の複合的な変化や収益構造の転換に柔軟に対応し、収益性の高い領域へのアプローチや効果的な戦略を迅速に策定していくため、分析手法の多面化やマーケティング精度の改善など、さらなるデータ活用が求められていると説明。一方で、「データサイエンティストの採用や育成が上手く進まない」「データ利活用の効果が体感できない」といった声も多く、データ利活用に着手できていない、あるいは着手できているが効果を実感できていないといった実態も散見されるという。

 こうした課題に対し、提供を開始するDUPは、金融DX実現のための包括的システムアーキテクチャー「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」と、2022年11月に発表した金融機関の経営戦略実現を支援する「金融次世代勘定系ソリューション戦略」のデータ利活用サービスを支え、データ分析基盤とコミュニティを提供する。経営レベルの課題から、顧客の行動を分析し成約につながりやすいアプローチを予測するEBM(イベント・ベースト・マーケティング)の活用まで、金融機関のデータ活用を包括的に支援する。

 DUPは、実績のある分析モデルとそのモデルを実行するために必要なデータ処理プロセスを搭載したデータ分析基盤を提供し、データサイエンティストがいなくても、高度な分析を実現できる。ある顧客との実証では、DUPが標準で提供している分析モデルと連合学習を利用し、より付加価値の高いモデルを構築することで、DUP導入前と比較して特定の商品における成約顧客の獲得力が推定約1.5~2.0倍となることが確認できたという。

 また、DUPの顧客向けにユーザーコミュニティを創設し、参加者同士のデータ利活用のナレッジ共有や、IBMのデータサイティストやコンサルタントのスキル共有を促進し、顧客のデータ利活用活動の継続や高度化を推進していくとしている。