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SAPジャパン、顧客ID管理クラウド「SAP Customer Data Cloud」にグループ管理の機能を追加

 SAPジャパン株式会社は20日、顧客IDおよびアクセス管理ソリューション「SAP Customer Data Cloud」に、顧客IDの「グループ管理機能」を追加したと発表した。これにより、企業のマーケティング活動や個人情報の保護・活用のための、コンプライアンス準拠の支援を強化するとしている。

 SAP Customer Experienceソリューションの一部であるSAP Customer Data Cloudは、企業が顧客のIDとそれに関連するプロファイル、プリファレンス、オプトイン、オプトアウトなどを管理するID統合管理ソリューション。複数サイトやアプリのIDなど、ばらばらに管理されている顧客IDを統合し、顧客プロファイルを新鮮に保ちながら一元的に管理すると同時に、顧客が主体となった同意管理も実現可能で、顧客との関係強化とコンプライアンス対応の両方を兼ね備える。

 新しく追加した「グループ管理機能」は、複数のIDをグループ単位で管理可能にすることで、家族や簡易的な組織に所属するユニークなIDとグループの関係性を理解し、企業のマーケティング活動と個人情報の保護および個人情報を活用するために必要なコンプライアンス準拠を支援する。

・サービスの契約者と利用者が異なるサービス等においてリーチできていない
エンドユーザーをグループとして追加できるようにすることで、実際の利用者に対して適切なマーケティング活動を行うためのデータ提供を可能にする。また、グループ内個人に対してマーケティング活動を実施する上で必要な同意取得と管理を行う機能を提供する。

 さらに、グループ内の複数個人間で単一の認証を共有してサービスにアクセスすることで懸念されるセキュリティリスクを、個別認証化によって回避する。例えば、ネット配信動画サービスにおいて、これまでは1つのメールアドレスで登録し、クレジットカードなどの1つの決済方法を登録し、家庭内で1つのアカウントを共有して複数のコンテンツ視聴を管理可能だったとする。その場合、ネット配信動画サービス会社は、家庭内の個々のユーザーにリーチすることや、個々のユーザーに対する同意を取得する方法が存在しないことになり、他デバイスから決済情報を含む重要情報にアクセスする際のセキュリティに問題が生じる可能性がある。

 グループ管理機能を用いることで、グループ内で誰がどのような権限を保持し、グループに対してどのような関係性なのかを理解することが可能となり、例えば保護者に対して、未成年者へのマーケティングをするための代理同意を得ることが可能となる。また、ユーザーごとのサインアップを促し、個別にリーチ可能なメールアドレスを取得可能。決済情報などの重要データは固有IDにのみひも付けて管理できる。