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バッファロー、Wi-Fi 6対応無線LANアクセスポイントのスタンダードモデルを発売
今後の法人向け事業戦略と商品展開について発表
2022年6月6日 06:15
株式会社バッファローは2日、法人向け事業戦略および新商品の発表会を開催した。発表会では、法人向け販売・サポート体制の現状や今後の事業展開、また同日に発表されたWi-Fi 6(IEEE 802.11ax、以下11ax)対応法人向けアクセスポイントの新製品「WAPM-AX4R」の概要について説明した。
バッファローでは今年4月から、法人ビジネス本部の組織体制を大幅に刷新しており、全国を管轄する「広域営業部」、地域密着でエリアを管轄する「東・西日本コーポレート営業部」(6支店・18営業所)、技術サポートを担う「営業技術部」を設置し、全国における販売・サポート体制を強化している。
バッファロー 常務取締役の横井一紀氏は、「現在、法人ビジネス本部では、全国14営業拠点に4部・6課・6支店・18営業所・4出張所を設置。主要拠点にはフィールドエンジニアも配置し、コロナ禍でもサービス品質を落とすことなく、各エリアの販売パートナーをサポートしている。また、販売パートナーを支援する『VARパートナープログラム』は今年10周年を迎え、登録ユーザー数は約1万名、登録事業者数は約4000社に達している。同プログラムにより、今後も法人ビジネスにおける多様なニーズを強力にバックアップしていく」と述べた。
法人向けネットワーク商品のラインアップとしては、無線LAN、ルータ、有線LAN、NASの4カテゴリを展開しており、SOHOから小・中・大規模まで法人顧客の幅広いニーズをカバーする製品をそろえている。代表製品である法人向け無線アクセスポイント「AirStation Pro」は累計出荷台数145万台を突破、法人向けNAS「TeraStation」も累計出荷台数115万台を突破しているという。
法人向け事業の今後の展開について、バッファロー 取締役の石丸正弥氏は、「日本企業が抱えている経営課題として、テレワークの導入とBCP(事業継続計画)の策定が進んでいないことが挙げられる。特に中小企業では、IT人材(人手)不足も背景に、大手企業に比べて大きく遅れているのが実情だ。そこで当社では今後、中小企業のDX支援に力を注いでいく。中小企業向けのネットワーク商品、サービス、販売支援を強化するとともに、『人材/人手不足対策』、『BCP対策』、『テレワーク・業務デジタル化のインフラ構築』の3つの軸を中心にソリューションを拡充していく」との方針を示した。
中小企業向けの新たな施策としては、「人材/人手不足対策」では、無線アクセスポイント「キキNavi クラウドゼロタッチ」を今冬にサービス提供開始する予定。同サービスは、外装箱を開梱することなく、リモート管理サービス「キキNavi」への無線アクセスポイントの一括登録や、キキNaviからの機器設定情報の反映が可能な無料サービス。これにより導入先のユーザーは、機器をインターネットにつなぐだけで、設定が自動で完了し運用を開始することができる。このほかに、今年4月からは、Wi-Fi導入にあたっての現地調査を0円で対応するキャンペーンも実施している。
「BCP対策」では、今年2月にリリースした「キキNavi クラウドバックアップ」のサブスクリプションメニューを今冬に提供開始する予定。「キキNavi クラウドバックアップ」は、NASに保存した大量のファイルを、フォルダ単位でクラウド上にバックアップできるサービス。NAS向けのBCP対策に最適なバックアップサービスとなっている。これまでは、保守期間と容量でのライセンスメニューだったが、ユーザーからの要望に応え、月額のサブスクリプションメニューを用意するという。
「テレワーク・業務デジタル化のインフラ構築」では、無償保証最大5年のVPNルーターとして、10GBASE-T対応ポート搭載有線モデル「VR-U500X」とWi-Fi 6対応無線モデル「VR-U300W」の2製品を5月から出荷開始。また、テレワークで必須になるVPNリモートアクセスに対応したファームウェアを7月にリリースする。そして今回、Wi-Fi 6(11ax)に対応し、コストパフォーマンスに優れた法人向けアクセスポイントスタンダードモデル「WAPM-AX4R」と、専用セキュリティカバー「WLE-OP-SCD」を、8月上旬から順次出荷することを発表した。
バッファロー 事業本部 法人マーケティング部長の富山強氏は、「コンシューマ向け市場では、Wi-Fi 6(11ax)対応製品の販売が拡大しているが、法人向け市場については今年から本格的に普及が始まると予測している。そこで、このタイミングに合わせて、中規模ユーザー向け新製品として、Wi-Fi 6(11ax)対応無線LANアクセスポイントスタンダードモデル『WAPM-AX4R』をリリースする。また、幅広い企業の設置ニーズに対応するため、専用セキュリティカバーも用意した。機能面でも、『DFS障害回避機能』や『ゲストポート機能』、『公平通信制御機能』など、当社が培ってきたさまざまな便利機能を満載しており、オフィス、店舗、ホテルなどさまざまなシーンでWi-Fiを快適に運用することができる」と説明した。
「WLE-OP-SCD」の主な特徴として、Wi-Fiは5GHzが最大1201Mbps(理論値)、2.4GHzが最大574Mbps(理論値)、有線LANはPoE受電対応(IEEE 802.3at)可能な1GbEポートを搭載しており、1台で最大256台の多台数接続が可能となっている。
「DFS障害回避機能」では、「DFS(Dynamic Frequency Selection)」による無線LAN停止を回避するため、レーダー監視専用アンテナを搭載。干渉しないチャンネルを常に監視し把握することで、レーダー波を検知した際に、瞬時に干渉しないチャンネルへと自動的にチャンネル切り替えを行う。
「ゲストポート機能」は、来訪者のパソコンやスマートフォンのWi-Fi通信など、一時的にインターネット接続だけを許可する機能。既存のネットワークへの接続は許可せず、隔離された状態でインターネットだけを利用することができる。これにより、来客者用Wi-Fiを簡単に提供することが可能となる。
「公平通信制御機能」は、複数の端末が同時に通信してもバラツキが発生せず平等に通信を行うことができる機能。例えば、多数のタブレットを利用する授業で、同時に動画再生しても再生の遅延が生じにくく、快適な授業を行うことができる。
また、ネットワーク運用の負担を減らす遠隔管理として、無料のリモート管理サービス「キキ Navi」に対応しているほか、別売りのネットワーク管理ソフトウェア「WLS-ADT」、「WLS-ADT/LW」にも対応し、導入後のトラブル解析や、遠隔地からの機器の監視、メンテナンス用の簡易操作なども可能となり、機器管理者の負担を大きく軽減する。
価格は、Wi-Fi 6(11ax)対応無線LANアクセスポイントスタンダードモデル「WLE-OP-SCD」が5万4780円。専用セキュリティーカバーの「WLE-OP-SCD」が4180円。