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Arcserve、イミュータブルストレージ製品「Arcserve OneXafe」を発表

ランサムウェア攻撃からバックアップデータを保護

 arcserve Japan合同会社(以下、Arcserve Japan)は23日、中規模以上のシステム群のデータ保護を目的として、ランサムウェア対策に有効なイミュータブル(不変)ストレージ「Arcserve OneXafe(ワンセーフ)4500シリーズ」(以下、Arcserve OneXafe)を、6月6日から販売開始すると発表した。

 同日には、イミュータブルストレージの事業戦略および新製品の概要について説明会が行われた。

「Arcserve OneXafe 4500シリーズ」

 「Arcserve OneXafe」は、昨年3月の米本社による米StorageCraft買収によって拡充された、Arcserveのデータ保護ソリューション・ポートフォリオの新ラインアップとなるイミュータブルストレージ製品。バックグラウンドで定期的に変更不可能なスナップショットを取得することで、ランサムウェア攻撃や不正アクセスによりデータに改ざんや削除があっても、スナップショットを使って正常時の状態に復旧することができる。

 また、同社が提供しているバックアップソフトウェア「Arcserve UDP」や「Arcserve Backup」の環境や運用を変えることなく、「Arcserve OneXafe」を追加するだけで、ランサムウェア対策を強化する「3-2-1-1」ルールを実現することが可能。「3-2-1-1」ルールでは、オリジナルデータと、そのコピー2つからなる「3」つのデータを作成し、「2」つの異なるメディアに保存、「1」つをオフサイトに保存、さらに「1」つをイミュータブルストレージに保存することで、重要なデータをより安全に保護することができるという。

 Arcserve Japan 職務執行者社長の江黒研太郎氏は、国内でのビジネス展開について、「今回発売する『Arcserve OneXafe』は、米国で製造したものを国内で輸入販売するが、そのまま持ち込むのではなく、日本市場のニーズに合わせた品質で提供する。製品の納期については約1カ月以内を実現し、メンテナンス開始日も米国出荷日ではなく顧客への納品日としている。また、バックアップアプライアンス『Arcserve UDP Appliance』と同等のサポート体制を構築し、ハードディスクの故障時には日本のみオンサイトで交換作業を行う。このほかに、日本語の技術情報や営業支援体制も充実させていく」との方針を示した。

Arcserve Japan 職務執行者社長の江黒研太郎氏

 「『OneXafe』は、2013年12月に『OneBlox』の名称で米Exabloxからリリースされ、海外では8年以上の実績を持つ信頼性の高い製品となっている。2017年1月には、StorageCraftがExabloxを買収。そして、昨年3月に当社とStorageCraftが合併したことにより、Arcserveのデータ保護ソリューション・ポートフォリオにイミュータブルストレージ製品が加わった。日本での発売を正式アナウンスする前から多くの問い合わせが来ており、すでに導入検討している企業もあるなど顧客からの反響が大きいことを踏まえ、初年度で100台の販売を目指す」としている。

「OneXafe」の歴史

 「Arcserve OneXafe」は、Arcserveのデータ保護ソリューション・ポートフォリオにおいて、統合型データ保護ソリューション「Arcserve UDP」、バックアップソフトウェア「Arcserve Backup」、およびバックアップアプライアンス「Arcserve UDP Appliance」と組み合わせ、バックアップ専用ストレージとしての役割を担う。「Arcserve UDP」「Arcserve Backup」の直接のバックアップ先としての利用に加え、「Arcserve UDP Appliance」のバックアップデータのレプリケート(複製)先となる二次バックアップストレージとしても利用できる。

Arcserveのデータ保護ソリューション・ポートフォリオ

 Arcserve Japan ソリューション統括部 プリンシパルコンサルタントの渡辺敬彦氏は、「Arcserve OneXafe」の主な特長について、「バックグラウンドで変更不可のスナップショットを定期的に取得する機能を備えており、バックアップデータがOneXafeの共有領域に書き込まれると、直近1時間については90秒おきにスナップショットを自動で取得する。それより古いデータは1時間ごと、1日ごと、1週間ごとにスナップショットを保持する。ランサムウェアやサイバー攻撃者は、“不変な”スナップショットを変更することができないため、万が一バックアップデータが破壊された場合でも、スナップショットにより、破壊される前の状態に簡単に復旧することができる。また、1つのデータブロックを3つのHDDに自動的に書き込むことにより、ディスク障害にも対応している」と説明した。

Arcserve Japan ソリューション統括部 プリンシパルコンサルタントの渡辺敬彦氏

 このほか、「Arcserve OneXafe」に保存されるデータは自動で重複排除/圧縮されるため、効率よく空き容量を利用できる。また、10GbEのネットワークポートを搭載しており、大容量のデータでも高速にバックアップすることが可能。なお、「Arcserve UDP」のバックアップ先として「Arcserve OneXafe」を利用する場合、「Arcserve UDP」の重複排除機能を併用することもできる。

 さらに、クラウドベースの管理コンポーネント「OneSystem」により、共有フォルダやスナップショットを容易に設定できる。クラウド上ですぐに利用可能な「パブリック OneSystem」と、オンプレミスに構築する「プライベート OneSystem」の2種類から選択でき、1つのOneSystemアカウントで複数のOneXafe環境を統合管理することが可能となっている。

「OneSystem」の画面

 製品ラインアップは、「4512-96」(32TBモデル)、「4512-144」(48TBモデル)、「4512-216」(72TBモデル)の3種類を用意。また、イーサネットポートには10GBase-T(RJ45)とSFP+の2種類があり、購入時に選択できる。

 税別価格は、「4512-96」(32TBモデル)が750万円、「4512-144」(48TBモデル)が930万円、「4512-216」(72TBモデル)が1290万円。すべて納品から5年間のメンテナンスが標準セットされている。