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富士通、5G SA対応の仮想化基地局を開発、最適化技術により消費電力・CO2排出量を削減

 富士通株式会社は24日、5G SA(Stand-Alone)方式対応の、ソフトウェアにより仮想化した基地局(以下、仮想化基地局)を新たに開発し、2022年3月から通信事業者向けに検証用として提供を開始すると発表した。

 開発した仮想化基地局は、5G SA方式に対応し、相互運用可能でオープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)の仕様策定を推進する標準化団体「O-RAN ALLIANCE」のO-RAN仕様に準拠したもの。

 富士通独自のカスタマイズにより、ソフトウェアの制御方式を改善することで、高い性能およびキャパシティを実現。通信速度の高速化を図るとともに、通信可能な範囲を2倍から4倍に向上した。

 また、地域や時間帯によって変化する基地局の利用状況(通信量)に応じて、運用に必要なサーバーの演算リソースを柔軟に変更可能とすることで、余剰なリソースを削減し、消費電力を低減する、富士通独自のダイナミックリソースアロケーション技術を開発。RANインテリジェント制御部(RIC)、およびネットワーク全体のオーケストレーションと管理を行うSMOを同技術と連携させることで、携帯電話利用者の移動やアプリケーションの利用状況を推定し、最適なリソース配置を実現する。

 さらに、AIにより将来の通信量の変動を予測した上で、富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を用いて、多数の基地局の電波が重なる環境下での無線装置(RU)と仮想化基地局(CU/DU)の組み合わせの中から、最適な接続先を導き出す問題を高速に解くことで、最適な演算リソースの配分を可能にする、オートセルリプランニング技術を実現。これらの技術を用いることで、従来の仮想化基地局が抱えていた課題の解決が可能となり、5G無線ネットワーク全体の最適化と、設備および消費電力の削減を実現し、通信事業者の5G無線システムの総CO2排出量削減に貢献するとしている。

 富士通では、2022年3月から、通信事業者の検証用として汎用サーバー上で動作するソフトウェアの提供を開始し、フィールド試験を含めた各種検証を支援。2022年度中に各通信事業者の商用サービス網での展開に向けて、グローバルに提供を開始する予定と説明。今後は、ソフトウェア機能のアップデートを順次行い、環境負荷低減技術をさらに向上させ、2025年に従来型基地局システムと比較し、総CO2排出量を50%以上削減することを目標としている。

仮想化基地局を用いたシステム全体のCO2排出削減イメージ