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富士通、自社工場において現場作業の自動化や遠隔支援を行うローカル5Gシステムを運用開始

 富士通株式会社は30日、先端技術を活用したスマートファクトリーの実現に向け、ネットワーク機器の製造拠点である栃木県小山市の小山工場において、現場作業の自動化や遠隔支援を行うローカル5Gシステムの運用を開始したと発表した。

 小山工場内に現場を構え、ローカル5Gをはじめとするネットワーク機器の製造を手がける富士通テレコムネットワークス株式会社では、AIやIoTなどの先進技術を活用しながら人を中心としたスマートものづくりを追求している。その中で、高精細映像やセンサーデータなどの大容量で膨大なデータを活用した効率的な技術伝承や作業の高精度化、自動化を目指しており、今回、それらの実現に向けて、電波の到達距離や使用用途に応じたローカル5Gのネットワークを構築し、現場の業務へ適用していく。

小山工場におけるローカル5Gの活用イメージ

 ローカル5Gシステムは、4.7GHz帯で4G LTEのコアネットワークを利用せずに単独で機能するSA(Stand Alone)と、28GHz拡張周波数帯でLTE設備との連携により5G通信を実現するNSA(Non-Stand Alone)で構成。建屋内や建屋間の部品や製品の運搬作業については、電波の到達距離が長い4.7GHz帯のネットワークを活用して、工場内を走行する無人搬送車とのリアルタイムな通信により、高精度な位置測定と走行制御を行い、自動化を行う。

 作業者による組立作業においては、広帯域で大容量のデータ通信に適した28GHz帯のネットワークを活用して、工場内に設置した多数の高精細4Kカメラで撮影した製品や作業などの映像を、エッジコンピューティング環境に高速伝送して、AIによる映像解析を行い、正しい動きをしているかをリアルタイムにフィードバックする。また、MRデバイスを活用した現場作業のトレーニングや遠隔支援も行う。

 富士通では今後、小山工場におけるさまざまな業務にローカル5Gを適用して検証を進め、2021年度内に製造業向けのサービス提供を目指す。また、取り組みの内容については、4月19日~23日にオンラインで開催される「Interop Tokyo 2021」で紹介する。