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富士市が職員用VDI基盤にNutanix Cloud Platformを採用、DR環境との両立も実現

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(以下、ニュータニックス)は7日、静岡県富士市がニュータニックスのハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品を導入したと発表した。

 富士市では、職員が使う約2400台の端末としてシンクライアントを採用し、VDI(仮想デスクトップ)やSBC(サーバーベースコンピューティング)などを活用してきたという。しかし、仮想化によってサーバー基盤が複雑化し、運用管理の負荷が増加したため、コストが高止まる傾向にあったほか、業務で必要となるサーバー環境を用意するためのスピードなかなか上げられなかったとのこと。

 そこでVDI環境のシステム更改を機に、こうした課題を解決できる俊敏なIT基盤の実現を目指し、環境の刷新を決断。同市の求める「必要なITリソースをオンデマンドですぐに用意できるIaaS環境」をオンプレミスで実現できるソリューションとして、Nutanix Cloud Platformを導入している。

 なお富士市では、実効性の高いDR(災害対策)の仕組みづくりも行っており、この基盤としてもNutanix製品が利用された。隣接する富士宮市との共同電算を行っている富士市では、外部のデータセンターのハウジングサービスを使ったIT基盤を設置しており、大規模災害によって万一データセンターと庁舎を結ぶネットワークが寸断されると、すべての庁内業務が止まるリスクを内包していたという。そこで今回は、データセンターと同じIT基盤を本庁舎内に設置し、本庁舎をバックアップサイトとして利用することで、こうした課題に対応した。

 すでに2020年1月から、データセンターと本庁舎で本格運用が始まっており、VDI環境以外に、庁内DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として導入されたRPA基盤も、Nutanix製品によるIaaSに統合されている。この結果、サーバーの台数が大きく減りキャパシティに余裕が出たことで、DRの仕組みづくりにもプラスに作用し、ハウジングコストの低減につながったほか、新たなシステム導入の要請があった場合には、5分~10分で必要なサーバー環境を迅速に立ち上げられているとした。

 さらに、データセンターと本庁舎内の両IT基盤において、サーバーの移動・同期も迅速に行えており、TB級のデータの移動も容易に完了できているとのことだ。