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薩摩川内市、ICTインフラ基盤にニュータニックスの基盤を採用

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(以下、ニュータニックス)は2日、鹿児島県の薩摩川内市が、ICTインフラ基盤に同社のソフトウェアプラットフォーム「Nutanix Enterprise Cloud OS」を採用したと発表した。2019年9月に本稼働を開始しており、現在では医療系を除いた全システムがNutanixに移行しているとのことだ。

 薩摩川内市では、従来、ファイルサーバーが慢性的な枯渇状態にあり、不要・アクセス頻度の少ないファイルやフォルダを整理するシステムが必要になっていたほか、遠隔地に運んだバックアップテープのリストアに丸一日費やすことがあるなど、バックアップ/リストアの面でも課題を抱えていたという。

 そこで同市では、5年周期で行っているインフラの見直し・改善に際して、これまでの仮想基盤のリプレースを実施。比較検証の結果、Nutanix Enterprise Cloud OSを採用している。

 同市では、新システムの選定においてパブリッククラウドも検討したものの、自治体ではセキュリティポリシーの観点から、特定の基幹系システムをオンプレミスに残す必要があり、通信コストも割高になることから、完全な移行はできないという制約があり、今回は採用を見送ったとした。

 なおNutanixの導入効果により、同市が抱えていたさまざまな複雑性が解消されている。例えば、最初の課題であったファイルサーバーの問題については、Nutanix Filesを活用することで、ファイルサーバー領域の柔軟な拡張・縮小を実現。これまで占有していたラックスペースが66%削減され、電力のランニングコスト削減にも貢献したという。

 さらに、Nutanix製品は災害対策(DR)機能がビルドインされているため、個別に管理する必要がなく、シンプルな運用が可能になった点もメリット。新たに構築したDR環境はアクセススピードが圧倒的に早くなっており、これまでテープから300GBのデータをリストアするのに約9時間かかっていたところ、今では仮想サーバーからわずか数分程度で完了するとした。

 運用管理の観点では、これまでは個々のハードウェアとソリューションの専門知識に加え、時間、労力、リソースなどが必要となっていたほか、従来の複雑なインフラのアップデートには、月曜日までの復旧を目指し、週末を通して作業を行うこともあったという。

 しかしソフトウェア定義型のインフラに移行した今では、別の課から異動してきた担当者でも簡単に使いこなせるようになるなど、Nutanix Prismの直観的な管理インターフェイスが高い評価を得ているという。

 薩摩川内市では今後、今回構築したDR環境を今後クラウドへ移行することも検討しているとのことだ。