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パッケージメーカーの彫刻プラスト、NutanixのHCIで生産管理システムの仮想化基盤などを刷新

ディスクスピードが約3倍に向上、圧縮などでデータ量は約半分に

 株式会社ネットワールドは5日、食品パッケージなどの包装材の企画・製造・販売を手がける株式会社彫刻プラストが、ネットワールドが取り扱うハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「Nutanix Enterprise Cloud OS」と、米Mellanox Technologiesの10Gigabit Ethernet(GbE)スイッチを導入したと発表した。顧客からの受注、工場への生産指示、納品書発行など、生産・販売業務の根幹を担う生産管理システムの仮想化基盤と、VDI(仮想デスクトップ)基盤を刷新するプロジェクトにおいて採用されている。

 彫刻プラストでは、十数年前から生産管理システムの仮想統合や社内クライアントのVDI化を行っていたが、兼任の情報システム担当者が1名で全システムを管理していることから、さらなる運用効率化を目指してシステム基盤の3回目の更新に着手。性能不足、信頼性・耐障害性の向上、BCP強化などの課題解決を図った。

 旧環境はサーバー、スイッチ、ストレージによる3Tier構成となっていたが、iSCSIの帯域が1Gbpsしかなく、性能が頭打ちの傾向にあった。これを解決するためにストレージのLUNを分けるなどさまざまな対応策を講じたものの、新しい仮想マシンを作ると性能が劣化するようなケースも見られ、抜本的な改善を図る必要があると判断。

 高性能・高信頼環境を容易に実現できるHCIが提案され、ネットワールドのパートナーである株式会社エイコーが、自社導入により性能向上や運用効率化など数多くのメリットを実現している点なども考慮し、Nutanixが選定されたという。

 加えて、BCP強化のためにデータセンターへの移設も重要な要件となっていたため、Nutanixには、大量のシステム群をコンパクトに集約できる点でも効果が期待されたとのこと。

 新しい環境には、Nutanix Enterprise Cloud OS搭載の3ノードからなる「Nutanix NX-1065」を導入し、7台の業務サーバーと約50台の仮想デスクトップを集約した。Nutanix Enterprise Cloud OSは、分散ストレージを構成するアーキテクチャで、耐障害性に優れた環境をシンプルに実現できるという点が評価されており、導入の結果、ディスクアクセスのスピードが以前の約3倍に向上したほか、インライン圧縮/重複排除の効果により、容量を約1/2程度にまで削減できたという。

 さらに、旧環境からの移行は、まず本社内にNutanixを設置して仮想サーバー/仮想デスクトップのコピーを行い、その後データセンターへ移設するという流れで行っているが、一連の作業を情報システム担当者が1名で完結しており、Nutanixのシンプルさと導入し易さが実証されたとした。