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Twilio Japan、設立2周年を迎え国内ビジネス強化に向けた事業戦略を発表

クラウドコミュニケーション製品「Twilio」の新たな導入事例も紹介

 Twilio Japan合同会社は21日、今年8月に設立2周年を迎えたことを受け、国内ビジネス強化に向けた最新の事業戦略および、クラウドコミュニケーションプラットフォーム「Twilio」製品の導入事例に関する発表会を開催した。

 発表会では、まずTwilio Japan 代表執行役員社長の今野芳弘氏が、グローバルおよび国内のビジネス状況について説明。「Twilioは、2008年3月の設立以来、急成長を続けており、2020年度の売上高は17.6億ドルに達し、従業員数は6000人を超えている。日本法人は、2019年8月に営業を開始し、今年で設立2周年を迎えた。当社が提供する『Twilio』は、さまざまなコミュニケーションチャネルを、クラウドを介してプログラム可能な状態で利用できるよう整備した顧客エンゲージメント向けの基盤・サービスとなる。現在、180ヵ国以上の顧客に利用されており、1000万人超の開発者コミュニティ、24万の顧客アカウントをもっている」と述べた。

Twilio Japan 代表執行役員社長の今野芳弘氏

 国内の市場環境については、「コロナ禍により国内でもデジタル化が加速し、特に非近接のビジネス環境が大きく変化した。Eコマース、テレワーク、オンライン診療、オンライン教育、在宅コンタクトセンター、バーチャルイベントなどの進展にともない、個人生活と企業活動においてコミュニケーションが共通の課題となり、デジタルでの顧客エンゲージメントの重要性がさらに高まってきている」と指摘。

 「Twilioの顧客エンゲージメントプラットフォームでは、APIベースまたはローコード可能な仕組みでコミュニケーション機能を提供する。これにより企業は、メールや電話、SMS、チャット、ビデオなどの機能をビジネスプロセスやアプリに簡単に組み込んで活用できるようになり、デジタルでの顧客エンゲージメントを高めることが可能となる」と、Twilio製品の優位性をアピールした。

Twilioプラットフォームの多種多様なラインアップ

 今後のビジネス拡大に向けては、国内でのパートナー戦略をさらに強化していく方針。日本法人設立当初からのリセラーパートナーであるKDDIウェブコミュニケーションズに加え、多様な日本企業のニーズに迅速に応えるべく、リセラーパートナーおよびインプリメンテーションパートナーを拡充していく。現在、リセラーパートナーでは伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータ、クラスメソッド、サーバーワークス、テラスカイ、インプリメンテーションパートナーではウルシステムズ、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ・スマートソーシング、バウンド4テクノロジー、ビヨンドが新たに加わり、サービスおよびソリューションの提供を開始している。

Twilioの国内パートナー

 また、開発者(Builder)向けコミュニティ活動も強化しており、「今年3月から日本法人でも本格的にコミュニティ活動を開始し、オンラインミートアップを定期的に開催している。9月でコミュニティ会員数は900人以上に達した。さらに、日本市場向けリソースとして、日本語ブログや開発者向けオンライントレーニングを日本語環境で提供開始している」(今野氏)という。

 そして、Twilio製品の新しい導入事例として、電話応対業務の自動化ソリューションを提供している、サイバーエージェント子会社の株式会社AI Shiftによる活用事例を紹介した。

 AI Shiftでは、ボイスボット事業で展開しているAI電話自動応答サービス「AI Messenger Voicebot」に、Twilioのクラウド音声通話サービス「Twilio Programmable Voice」を採用。これにより、WEB窓口やチャットボットを導入しても、なお多く発生する電話への応対の自動化・効率化、24時間365日稼働を実現し、工数および人的コストの大幅削減とともにユーザーの利便性向上を支援している。

「AI Messenger Voicebot」に「Twilio Programmable Voice」を採用

 AI Shift 代表取締役社長の米山結人氏は、「『AI Messenger Voicebot』は、音声認識・対話戦略・音声合成を組み合わせ、電話応対を自動化するソリューションとなっている。同ソリューションでは、ユーザーが使いやすいさまざまなボイスボット機能を搭載。また、導入前から導入後まで支援するサクセスサポートプログラムも用意している。昨年4月のサービス提供開始以来、法律事務所やレジャー施設、自動車、通信販売、学習塾、自治体など幅広い業界で、すでに80以上の導入実績がある」としている。

AI Shift 代表取締役社長の米山結人氏

 音声通話サービスに「Twilio Programmable Voice」を選んだ理由については、(1)スピーディな開発が可能、(2)初期コストが小さい、(3)拡張性が高い――の3点を挙げ、「ローコード開発によって、プロトタイプ制作は数週間、プロダクト開発も半年かからなかった。また、ドキュメントが豊富だったので、電話の知識がなくても開発できた。初期コストについては、従量課金制のため、サービス開始前はほとんどコストがかからなかった。サービス提供に際しても固定費が発生しなかったことは、事業上の大きなメリットになったと感じている。さらに、SMSやIVRなどさまざまな機能が用意されており、事業拡張性が高いことも採用のポイントになった」と説明した。