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クラウドコミュニケーションプラットフォームを提供する米Twilioが日本法人設立
日本市場でのさらなるビジネス拡大へ販売体制を強化
2019年9月2日 06:00
米Twilioは8月30日、日本でのさらなるビジネス拡大に向けて、Twilio Japan合同会社を設立したと発表した。同日に行われた記者会見では、日本法人を設立する背景や日本市場での今後のビジネス戦略について説明した。
米Twilioは、2008年3月に創業し、「クラウドコミュニケーションプラットフォームによりイノベーションを加速する」をビジネスミッションに掲げ、電話/チャット/ビデオ/メール/FAXなどのコミュニケーションをワンストップでサポートするクラウドプラットフォームを提供している。現在は、全世界24か所に事業所を持ち、9地域27か所にデータセンターを設置しており、同社が提供するプラットフォームのインタラクション数は年間600億件、顧客数は16万件以上、開発エンジニア数は約500万人にのぼっている。
今回の日本法人設立にあたり、米Twilio Head of APACのアンジー・ベル氏は、「世界各地域の中で、日本は優先順位の高い市場であり、大きなビジネスチャンスがあると確信している。これまで日本市場では、KDDIウェブコミュニケーションズを通じて販売・サポートを行ってきたが、日本法人設立にともないパートナーシップを拡大し、新たなSIパートナーとともに、より幅広いユースケースに対応していく。また、日本語対応や日本の法令へのサポートを充実させ、日本市場におけるTwilioの認知度をさらに高めていく」と語った。
Twilio Japanの代表執行役員社長に就任した今野芳弘氏は、日本法人設立の狙いについて、「Twilioの製品ポートフォリオとビジネスが拡大を続けている中で、日本でのクラウド市場が爆発的に拡大していることから、グローバル戦略として日本が重要マーケットとして認定された。日本法人の設立によって、日本語化を含む製品対応を加速するとともに、直販営業能力の向上、SIパートナーのサポート拡充を目指す。そして、日本市場での認知拡大、および日本のレギュレーションへの迅速な対応を図っていく」と説明した。
日本市場でのビジネス戦略としては、「ブランドの浸透」「販売体制」「フォーカス製品」「コミュニティの拡大」の4つを重点施策として取り組んでいく方針。「これまでの販売体制は、KDDIウェブコミュニケーションズが窓口となり、日本市場での販売、サポート、営業活動、マーケティング活動を行ってきた。今後は、KDDIウェブコミュニケーションズがリセラーおよびゴールド・SIパートナーとして販売、サポートを継続しながら、日本法人がその支援とともに直接販売、サポート、マーケティング、ブランディング活動を推進していく。さらに、日本市場におけるインテグレーションサービスのニーズ拡大を受け、新たに7社のSIパートナーを追加し、販売体制を強化する」(今野氏)とした。
新たに発表されたSIパートナーは、ゴールド・SIパートナーがNTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTデータ・スマートソーシング、株式会社サーバーワークス、株式会社テラスカイ、株式会社パウンド4テクノロジー、クラスメソッド株式会社、レジスタード・SIパートナーがウルシステムズ株式会社の計7社となる。
また、クラウドコミュニケーションプラットフォームで展開している幅広い製品ポートフォリオの中から、日本市場に向けたフォーカス製品として、プログラム電話や音声処理機能を提供する「Programable VIOICE」、2要素認証をサポートする「Authy」、マルチチャネルに対応したSaaS型次世代コンタクトセンタープラットフォーム「Twilio Flex」、顧客の属性や状況に応じてEメールを配信するプラットフォーム「SendGrid」の4つを挙げた。
コミュニティの拡大については、エバンジェリストのアサインや勉強会、ミートアップの実施などを通じてコミュニティへの支援を行うほか、ハッカソンの実施や各種コミュニティへの参加、交流なども積極的に行っていく考え。
最後に、KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長の山崎雅人氏が登壇し、日本法人設立にともなう今後の取り組みについて、「当社は、2013年からTwilio製品の取り扱いを開始し、数多くの日本の顧客にさまざまなコミュニケーションサービスを提供してきた。今後は、6年間にわたるTwilioとのパートナーシップと経験を踏まえ、KDDIグループが持つ高信頼のネットワーク、多様なグループ会社・リソースをフルに生かし、Twilio製品を活用した新たなコミュニケーションサービスを展開していきたい」と述べた。