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AI ShiftのAI自動音声対話システム「AI Messenger Voicebot」、住所認識に特化したヒアリング機能を実装

 株式会社AI Shiftは5日、AI自動音声対話システム「AI Messenger Voicebot」に、住所認識に特化したヒアリング機能を実装したと発表した。

 AI Messenger Voicebotのような電話応対の自動化サービス(ボイスボット)は、従来のボタン入力式のIVRと異なり、名前や住所などの非選択式の入力を音声認識で受けられることから、通販業界での注文受付、保険業界での住所変更受付、不動産管理業界での顧客特定など、さまざまな業界での活用が進んでいるという。

 しかし、従来の製品・サービスでは名前や住所の認識精度が高くなく、認識した結果をそのまま商品発送等の後続処理に回すのは難しいため、人手による確認をはさむ必要がある点が課題だった。特に住所認識に関しては、名称が類似する別住所や存在しない住所と誤認識する課題があり、精度は約64%(同社調べ)にとどまっていたほか、認識した内容に対し、「~でよろしいですか?」という問い返しの明示確認を行ったとしても、誤認識が複数回続く懸念もあったとのこと。

 そこでAI Shiftでは、住所認識の精度向上を目的に、住所認識に特化したヒアリング機能を実装した。ユーザーから郵便番号と住所それぞれをヒアリングし、郵便番号から絞られた住所を内部的に候補として持った上で、住所の音声認識結果を返すことができる。さらに、認識時には国内住所データベースを参照しているため、音声が一部聞き取れなくても、認識できた部分の地名から最も適した住所を推定し、実際に存在する住所を返せるとした。

 この手法により、プレテストでは誤認識の割合が約70%減少したとのことで、明示確認も組み合わせて候補を絞り込む手法により、名称が類似する別住所であっても認識可能になるので、会話内全体での認識精度向上が期待できるという。加えて、認識結果の信頼度合いを判別できる機能も同時に実装され、人手による確認をごく一部に絞れるとの効果も期待されている。

 AI Shiftは今後、同機能を実サービスに組み込んだ場合の認識精度を検証し、さらなる精度向上を目指すとともに、住所以外の重要なヒアリング項目の精度向上を図る考えだ。