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ピュア・ストレージ、FlashArrayの最上位機種「//XLシリーズ」を発表

Pure Fusionとの連携でクラウドライクな大規模運用を実現

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュア・ストレージ)は16日、FlashArrayファミリーの最新機種となる「FlashArray//XLシリーズ」を発表した。同日には、新製品をリリースする狙いや製品概要、および2022年に向けた展望について説明会が行われた。

 「FlashArray//XLシリーズ」は、大規模なデータベースからコンテナ化されたクラウドネイティブのアプリケーションまで、ミッション・クリティカルなエンタープライズ・アプリケーション向けに設計された、FlashArrayファミリーの最上位モデル。これまで以上の高パフォーマンス、スケーラビリティ、大容量、堅牢な耐障害性を実現しており、要件の極めて厳しいワークロードをサポートする。

「FlashArray//XLシリーズ」

 ピュア・ストレージ プリンシパル・テクニカル・ストラテジストの岩本知博氏は、「従来モデル『FlashArray//X』シリーズのハイエンド製品も業界トップクラスの性能を備えているが、同モデルを複数台利用しているエンタープライズユーザーからは、ラックスペースの削減や運用効率化のために、さらに集約密度の高いFlashArray製品が求められていた。今回、こうしたニーズに応えるべく、従来モデルの性能を大幅に上回る超ハイエンドモデルとして『FlashArray//XL』シリーズをリリースする。これにより、厳しい要件を持つミッション・クリティカルなワークロードや大容量・高性能を必要とするワークロードなど、エンタープライズ・アプリケーションのユースケースをサポートしていく」と説明した。

ピュア・ストレージ プリンシパル・テクニカル・ストラテジストの岩本知博氏

 「FlashArray//XLシリーズ」では、「//XL130」(容量3.53PB)と「//XL170」(容量5.5PB)の2モデルをラインアップ。わずか150マイクロ秒の低レイテンシ、最大スループット36GB/秒を実現しており、これらの機能を5:1の平均データ削減率、10:1の総合効率、99.9999%の可用性とともに、5Uプラットフォームで提供する。「新モデルは、ワークロードのパフォーマンスが70%高速化、ホスト接続性が2倍、ボリュームのサポートが2倍に向上している。従来モデルの『//X90』との比較では、全体のパフォーマンスが最大50-65%アップ、容量は最大68%アップ、ラック密度は20%アップしている。さらに、新モデルは2台でアクティブクラスタを組むことで、最大スループットを2倍の72GB/秒に高速化できる」(岩本氏)という。

FlashArrayファミリーの製品ポートフォリオ

 また、「FlashArray//XLシリーズ」は、設計段階から、セルフサービスの自律型ストレージをコードとして提供するStorage-as-Codeプラットフォーム「Pure Fusion」との連携を前提に開発されている点も大きな特長となっている。これまで、従来型のテクノロジーを基盤とするエンタープライズ・アプリケーションの運用規模拡大にあたっては、複雑な管理業務、多大な電力消費コスト、業務の中断をともなうフォークリフト・アップグレード(システムの全面アップグレード)が必要だった。「『FlashArray//XL』シリーズと『Pure Fusion』を連携することで、これらの課題を解決し、エンタープライズ環境においても、クラウドライクなモデルで新たなアプリケーションを迅速かつ容易に展開することが可能となる。また、極めて高い集約密度と可用性を備えたストレージ・クラスを、AIによって最適にマネジメントすることができる」(岩本氏)としている。

FlashArrayファミリーと「Pure Fusion」の連携

 このほかの特長として、DirectFlashモジュールに分散型NVRAM(不揮発性メモリ)を搭載した新アーキテクチャにより、優れたスケーラビリティを実現。モジュール数に応じて書き込み帯域幅と容量をスケーリングし、書き込みスループットの制限を緩和する。

 ストレージOSには最新のPurity 6.2を搭載し、より要求の高い環境に対応する新たなエンタープライズ向け機能を提供する。特に、ランサムウェア対策を備えた常時オンのデータ保護機能では、「FlashArray//XL」に保存されたデータのセキュリティ、可用性、復元性を確実に維持。悪意ある攻撃を含む要因による障害の後も、容易なリカバリが可能となる。また、vVols(VMware vSphere Virtual Volumes)のスケーリング限界を2倍に拡張したほか、事業継続性とディザスタ・リカバリの機能強化を図っている。

 2022年の業界展望について岩本氏は、「2022年は、世界各国で、新型コロナウイルスによるパンデミックからの回復の年になると予想している。出張が戻り、対面式の会議やカンファレンスが再開。企業は、オフィス内での執務とリモートワークのハイブリッドな働き方を支援するようになる」と予測する。

 「これにともない、DX領域ではコンテナが大きな差別化要素となるとみており、当社では、昨年買収したPortworxのコンテナデータサービスを積極展開していく。また、データ保護領域では、企業の信頼性維持と高速リカバリがさらに重要になる。そのため、『FlashBlade』を中心に、ランサムウェア対策における高度なバックアップ/リストアニーズに対応していく。クラウド領域では、クラウド・ファーストからクラウド・エブリウェアへのシフトに向けて、自動化とオーケストレーションがカギとなる。これに対しては『Pure Fusion』のリリースにより、オンプレ環境をクラウドライクに活用することを提唱していく。そして、サステナビリティの取り組みでは、ESG(環境・社会・ガバナンス)の強化とグリーン・テクノロジーへの投資を推進していく」との方針を示した。