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ピュア・ストレージ、NTTデータへの「Pure1」導入を受け記者会見
AIを活用しハイブリッドクラウドでの自律型ストレージを実現
2019年7月11日 11:58
ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(ピュア・ストレージ)は10日、AIを活用したクラウドベースのストレージ管理・サポートプラットフォーム「Pure1」が、株式会社NTTデータに導入されたことを発表した。
この発表を受け、同日に行われた記者会見では、米Pure Storage 副社長兼Pure1事業部門ゼネラルマネージャーのダン・デキャスパー氏が、「Pure1」の特徴やメリットを、デモを交えながら説明した。
「Pure1」は、AIを駆使した予測型インテリジェンス「Pure1 Meta」を実装することで、ストレージインフラの最適化と自動化の支援、および予測型サポート、AI駆動型の管理、マルチクラウド環境でのフルスタック解析を可能にするプラットフォーム製品。
米Pure Storageのデキャスパー氏は、「『Pure1』では、あたかも単一のデバイスを管理しているかのように、数百台のアレイ全体をシンプルに管理することができる。その基盤となっているのが『Pure1 Meta』で、6万以上の顧客、3000以上のコンピュータノードから1日に50TB以上のデータを収集し、累積データは15PBを超えている。この膨大なデータを分析・活用し、ストレージ管理を究極にシンプル化するために、『自律型』『マルチクラウド』『フルスタック』の3つの機能を提供している」と、「Pure1」の製品特徴として大きく3つのポイントを挙げた。
「自律型」としては、顧客のリソースを管理に費やすことなく、ビジネスの目標を達成できるよう、自律型のストレージ制御を実現している。具体的には、過去データの解析結果を利用してアレイを精査し、既知の問題との識別照合を実施。障害の原因となりうる脆弱性を検知するとサポートチケットを自動生成し、顧客に警告する。これによって、潜在的な問題を事前に検出し、多くの問題が顕在化する前に解決することが可能となる。
また、「Pure1」の自律制御機能では、性能や容量の将来予測も可能で、アップグレードの計画やリソース利用の最適化を支援するという。「ストレージ管理は、ワークロードに応じて適切にサイジングすることが重要だが、パフォーマンス予測を人手で行うのはほぼ不可能なのが実情だ。これに対して『Pure1』は、AI駆動型のワークロード管理によって、『パフォーマンスと容量の変化』、『ハードウェアアップグレードの影響』、『ワークロード変更の影響』の3つの項目について将来予測のシミュレーションを行うことができる」(デキャスパー氏)としている。
このほかの自律制御機能として、重要なアレイ管理指標を1つのビューに表示するグローバルダッシュボード、Cloud Block StoreやObjectEngineなどすべてのストレージ製品を一元管理できる可視化機能、アレイ全体を手元で管理できるモバイルダッシュボードとアラート機能、セキュアなビューに基づくアクセス制御機能、各アレイのロケーション管理機能などを紹介した。
「マルチクラウド」では、Cloud Block Store for AWSと、オンプレミスにおける既存のFlashArrayを組み合わせることで、データをハイブリッドクラウドアーキテクチャに取り込むことができる。
また、Pure1スナップショットカタログを使用することで、FlashArray、FlashBlade、Cloud Block Store、他社のNFS、S3ターゲットなどあらゆるターゲットへのすべてのスナップショットをグローバルに監視できる。
さらに、マルチクラウドの新たな取り組みとしてデキャスパー氏は、「すべてのサブスクリプションを一元管理できる機能を近日中にリリースする予定だ。サブスクリプションの使用数やコンプライアンス状況、課金・支払い状況など、あらゆる情報を『Pure1』の中で管理することが可能になる」と説明した。
「フルスタック」では、Pure1 VM Analytics機能によって、インフラ全体の性能情報をフルスタックで可視化することができる。これにより、ストレージやVMを含むインフラの性能問題の原因が特定しやすくなり、問題解決までの時間を短縮することが可能になるという。
また会見では、今回発表されたNTTデータの「Pure1」導入事例について、その概要が紹介された。ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏は、「『Pure1』は、問題をプロアクティブに検知して警告することで、障害が発生する前に解決できる自律型ストレージを実現する。NTTデータでは、この点を高く評価し、導入の決め手になった」としている。
なお具体的な導入効果としては、「システム障害時にサーバーごとに通知先を設定することで、NTTデータ組織内階層ごとに状況を瞬時にシェアすることが可能になった」、「他社ストレージでは実現できなかったプロアクティブ保守が可能となり、サービス品質の向上を実現」、「視認性に優れたダッシュボードや専用のモバイルアプリでの運用監視によって、最新状況をリアルタイムで確認可能となり、運用工数/システムコストの削減と、SLAの向上を両立」、「Capacity/Forecastツールの活用により、容量推移トレンドの把握と高精度な予測が可能となり、他ノードへの負荷分散や投資タイミングの決定など、システム全体のプロアクティブな最適化が可能になった」ことを挙げた。