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GRANDIT、中小企業のDXを推進する統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil」を発表
第一弾は「商社・卸売業」と「サービス業」に特化したプラン
2021年7月7日 06:00
コンソーシアム方式による国産ERP「GRANDIT(グランディット)」を展開するGRANDIT株式会社は6日、中小企業向けの国産統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil(グランディット ミライミル)」(以下、miraimil)を、10月より提供すると発表した。
同日には、新サービス「miraimil」のビジョンや事業目標、サービス概要について説明会が行われた。
「miraimil」は、日本の業種固有の商習慣をパターン化し、10種類の基幹業務機能から必要な機能を組み合わせて統合利用できるクラウドサービス。まずは、「GRANDIT」シリーズで導入実績が豊富な「商社・卸売業」と「サービス業」に特化した2種類のプランを提供する。
GRANDIT 代表取締役社長の石倉努氏は、「miraimil」をリリースする背景について、「現在、日本企業の約80%がレガシーシステムを利用しており、“2025年の崖”を前にレガシーシステムの刷新が大きな課題となっている。しかし、大手企業に比べて中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化やテレワーク導入は遅れているのが実情で、企業規模によりDXの導入に格差が出始めている。特に、中小企業は、IT人材不足や『ひとり情シス』の問題を抱えており、クラウド化や自動化による業務効率化が急務となっている。そこで今回、中小企業のDXを推進し、その成長を支える新サービスとして『miraimil』を開発した」と述べた。
「『miraimil』という名前には、“未来を見通すツール”を提供し、中小企業の“未来への飛躍をサポートする”という思いが込められている。サービスのリリースは今年10月を予定しており、提供開始後は中業企業向けに積極的に導入を推進し、2024年には200社、2026年には500社への導入を目指す。今後当社は、『miraimil』を通じて、中小企業のさまざまな課題を解決し、企業価値向上と競争力向上の実現を支援していく」(石倉氏)とのビジョンを示した。
「miraimil」のサービス特長としては、真に使いやすいERPとして開発された「GRANDIT」の機能をベースにしており、各業務システムは単一の共通マスタで連携し、会計・人事・生産・物流・販売のフローの一元管理が可能。また、基幹業務10種類(経理、債権、債務、販売、調達在庫、継続契約、経費、資産管理、人事、給与)を自由に組み合わせて統合利用することができる。さらに、承認ワークフロー機能を標準搭載しており、業務処理の効率化とペーパーレス化、意思決定のスピードアップに貢献する。このほか、企業の蓄積データを経営や業務に役立てるBI機能も標準実装しており、「miraimil」に蓄積されたデータを集計して定型レポートやモデル分析が可能となる。
GRANDIT 事業統括本部 副本部長の多田修子氏は、「『miraimil』は、中小企業が導入しやすいクラウド型のERPであり、日本企業の各業種固有の商習慣をパターン化し、必要な機能を組み合わせて利用できる。これにより、従来のオンプレミス型GRANDITと比べて最短で3か月というスピード導入とともに、通常のERPに比べ平均80%の導入コスト削減を実現する。導入前には、最大で3か月間無料でサービスをトライアル利用できる。また、当社専任スタッフが窓口となり、運用保守や監視サポートなどをワンストップで提供する。顧客企業は、ハードウェア・ソフトウェアの両面でシステムの運用・保守が不要となり、IT担当者の業務負荷を軽減できる」と説明した。
「miraimil」では、業種ごとの商習慣に応じて、業種別のサービスを順次展開していく予定で、第一弾として「商社・卸売業向け」と「サービス業向け」に特化した2種類のプランを提供開始する。
「商社・卸売業向け」プランは、国内取引や海外取引(輸出入)など多様な取引形態や、倉庫を経由しない出合取引や売買同時取引、在庫取引など各種商流に対応。また、金額が異なる同一商品在庫をロットごとに個別管理し、採算を把握できる。契約ごとの収益をリアルタイムに処理・把握でき、管理レポート機能も備えているため、商社・卸売り業務で日々発生する定型業務の負荷を軽減する。
「サービス業向け」プランは、物販と役務(サービス)販売を同一オペレーションで統合管理することが可能。期間契約業務で発生する定期的な計上を自動化でき、売上・請求業務の負荷を軽減する。仕入れ・売上台帳を一元化し、案件ごとに仕入れと売上をひもづけて管理することで、計上ミスも防止する。
「miraimil」のシステム基盤には、マイクロソフトが提供する高セキュリティなパブリッククラウド「Microsoft Azure」の占有サーバーを採用。サーバーリソースをほかの顧客と共有することなく自社独占で利用できるため、ほかの影響を受けず安定したシステム運用が可能となり、企業のコンプライアンス要件や業界固有の標準に準拠できる。また、オプションとして、東日本・西日本の2か所のリージョンでDR(ディザスタリカバリ)サイト構築による自然災害や人為的災害に備えたバックアップ体制も取ることができ、企業のIT-BCPを実現する。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Azureビジネス本部 本部長の上原正太郎氏は、「Azureをシステム基盤に採用した『miraimil』では、場所を問わずどこからでもアクセスできるリモート環境を実現するとともに、Azure Active Directoryを活用することで、IDからデバイス、データ、アプリケーションまでユーザーのアクセスをセキュアに担保することができる。そして、『miraimil』の進化した機能によって、会計・人事・生産・物流・販売など各業務フローのDXをサポートすることが可能となる。Azureと『miraimil』による統合型クラウドERPは、まさに当社の提唱する『Digital Feedback Loop』を具現化するものであると考えている」と述べた。
「miraimil」の利用料例は、適用業務が経理・債権・債務・販売・調達・在庫で、利用者数が10人までの場合、月額45万円(税別)としている。このほかに、別途導入支援費用が発生する。