ニュース

大塚商会の2019年度決算は増収増益、連結、単体ともに過去最高と“大変好調”

 株式会社大塚商会は3日、2019年度(2019年12月期)の決算を発表した。連結売上高は、前年比16.7%増の8865億3600万円、営業利益は同29.4%増の621億9200万円、経常利益は同29.3%増の637億600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は434億9700万円となった。

 単体では、売上高は前年比17.1%増の8022億円、営業利益は同30.8%増の556億3200万円、経常利益は同30.1%増の575億9300万円、当期純利益は同30.2%増の399億5200万円。

2019年12月期 決算概要

 この結果に対し代表取締役社長の大塚裕司氏は、「7月29日に4年ぶりの上方修正を行ったが、社内計画値に対しても大幅達成できた。連結、単体ともに過去最高で、大変好調な1年となった」と好調な業績に満足そうな様子を見せた。

代表取締役社長の大塚裕司氏

 2020年度の連結業績見込みは、売上高は前年比2.5%減の8640億円、営業利益は同2.4%増の637億円、経常利益は同1.4%増の646億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同0.1%増の435億3000万円。

 セグメント別売上高は、システムインテグレーション事業が同6.1%減の5435億5000万円、サービス&サポート事業が同4.1%増の3204億5000万円。減収増益見通しだが、「本当は増収増益をやりますといいたいが、公表数値では控えることとした。社内目標では増収増益としており、少し頑張れば増収できる見通しとしている」と説明。慎重な姿勢で2020年度(2020年12月期)の事業を進める。

各セグメント別のビジネス状況

 2019年度の連結セグメント別売上高は、システムインテグレーション事業売上高が前年比24.9%増の5786億9800万円、サービス&サポート事業売上高が同3.8%増の3078億3700万円。

 単体の詳細セグメント別売上高は、システムインテグレーション関連商品が4426億2000万円、受託ソフト等が544億1800万円、サプライが1563億3100万円、保守等が1488億3000万円となった。

【連結】セグメント別売上高
【単体】詳細セグメント別売上高

 連結売上高、経常利益の四半期推移では、「売上高はどの四半期も2けた増収を継続し、経常利益は2018年12月期の第4四半期の数値が高かったため、しきい値がだいぶ高くなった。それをクリアする実績とすることができた」という。

 単体の詳細セグメント別売上高増減率の四半期推移では、消費税増税があった第3四半期はSI関連商品、受託ソフト、サプライがほかの四半期に比べ売上が大幅に高く、サプライはその影響もあって、第4四半期がマイナスとなった。

 重点戦略事業の状況としては、たのめーるが前年比4.2%増の1666億4900万円、SMILEが同13.0%増の132億4100万円、ODS(大塚ドキュメント・ソリューション)が同0.1%増の557億9800万円、OSM(大塚セキュリティ・マネージメント)が同8.2%増の775億3500万円。

【単体】重点戦略事業の状況

 複写機は前年比7.6%減の3万7930台で、そのうちカラー複写機が同8.0%減の366億4800台。サーバーは同0.2%増の3万2063台、パソコンは同51.8%増の178万9884台、パソコン含めたクライアントは同49.7%増の183万498台。

 Windows 7のサポート終了で大きく伸長したパソコン販売の四半期推移について大塚社長は、「第3四半期、第4四半期はJEITA(電子情報技術産業協会)の伸び率とほぼイコールで、市場全体と同期しているが、若干、うちの方が上かなという推移となっている。CPU不足問題も、メーカーと協議しながら調達して乗り越えた」と分析。

 同じく特需となったWindows XPのサポート終了時と比較し、「XPのサポート終了時点では、パソコンはLANケーブルにつないで終わり。しかし、現在は外に持ち出すクライアント機になっているので、その後のビジネスがちょこちょこ発生する。きちんとフォローすればセキュリティ案件など追加発注がある」と違いを指摘する。

 一方、前年割れとなった複写機については、「ちょうどWindows XP特需のあとくらいのタイミングで、メーカーと協議して販売を強化したことがあったが、現在は市場が厳しく、そういうことはできなくなっている。だが、付加価値型の丁寧に関連商材を販売する、付加価値型ビジネスへと転換を進めた結果、販売台数は前年割れだが、粗利はむしろ増えている。無理なコピー機販売から大きく変化を遂げている」と付加価値型ビジネスへの転換が進んでいると強調した。

パソコン販売台数の四半期推移
複写機販売台数の四半期推移

 たのめーるについては、口座数が前年から約10万増加。順調に拡大している。

 Webサービスについては、前年から25万人増の262万人が利用している。「これは俗にいうクラウド系ビジネスという範疇のものだが、当社はこだわりをもってWebサービスと呼んでいる。主なサービスとしてはたよれーる給与、たよれーる365といったソリューションと連携したものが伸長。クラウドカンパニーであるといえるくらいのボリュームにはなってきている」とアピールした。

 収益性の高いストックビジネスについては、「2930億円まで売上が成長し、もう一息で3000億円規模となる。安定した収益確保のためにさらなる伸長を目指す」という。

たのめーる年次推移
ストックビジネスの推移

 2020年度の事業としては、基本方針に大きな変化はないものの、営業利益率、経常利益率ともに目標としてきた7%を実現したことから、「7%定着を目指していく」ことを強調した。

 2020年の市場環境としては、「中小企業も働き方改革を実践しなければならなくなったことで、ITを使った生産性向上が必須となっている」とし、中小企業のIT化の必要性が高まると分析。

 それをふまえ、2020年方針を「お客さまの目線でソリューションを生かし、お客さまの信頼に応える」とした。これは、「あえてお客さまということばを2回使った。売り切りではなく、何かあれば相談してもらえる関係を目指す。具体的には“オフィスまるごと大塚商会”を実践し、まだ市場に残存するWindows 7マシン、813万台の更新にも力を入れる。文教向けにGIGAスクール構想にも対応する」という狙いをもったものだ。

 社内で取り組んだ働き方改革で得た経験を生かし、勤怠管理、業務効率化、テレワークなどにまつわるビジネスを強化。新たなソリューションとして電子サイン、電子署名、タイムスタンプ、検索性要件、一括検証などをワンセットで提供する「デジタル契約スタートパック」を3月から販売する。「まだ、あまり市場にないソリューションだが、市場をリードする意気込みで取り組んでいく」という。

基本方針と中期計画
2020年の方針と施策
オフィスまるごと大塚商会
デジタル契約スタートパック

 社内強化のために取り組むのが「大戦略II」の本格推進だ。大戦略は1993年から大塚商会が取り組んだ社内改革。社内システム、ITインフラ強化、会計システムにSAP R/3を導入し、配送、顧客情報など社内データ一元化などを進め、1998年にプロジェクトが終了している。

 今回の大戦略IIでは、営業エンジニアによるリアルな対面での顧客との関係に加え、顧客ごとにマイページを提供するWeb、AIを活用したインサイド・ビジネス・センターの3つを通して、顧客と新たな関係を構築することを目指す。

 「営業の提案で届かないところに、Webを通じてお客さまと関係を作っていく。チャットボットを介した契約内容の確認、無料で利用できるeラーニングが12コース、60コンテンツ、各種製品のお試し利用などのコンテンツを提供する。現段階で10万5000IDが登録されている」。

 インサイド・ビジネス・センターは、営業でフォローしきれていない顧客に向け、アウトバウンド、インバウンドの両面で顧客との関係を強化する。

 「ここではAIを活用したデジタルマーケティングを進める。160万社のユーザーと接しているデータをAI活用のベースとすることで、営業任せではできない行き先ナビゲートを実現。お客さま目線で、AIからリス知とコールを行い、提案していく。2019年度の特需の先を行く取り組みとなる」

大戦略II
インサイド・ビジネス・センター

 2019年度には、名刺データをセンターで共有することを発表しているが、「これも実はAIによる営業サポートのひとつ。AI活用によって営業の受注率が6.9%アップしたという実績もある。オフィス丸ごとを請け負うことを実現するための大きな武器となる。当社の営業支援システムであるSPRと合わせると、ビッグデータとして活用できるデータがそろっている」とデータを活用した営業を進める、先駆けとなっている。

 大塚商会自身のIT化で10年前と現在を比較すると、休日は7日増えているが、売上高は99.6%増加し、社員数は7.3%しか増えていない。社員1人あたりの営業利益は253.7%と大幅に増加している。

 「休みを増やしながら生産性をあげるためには、IT化が不可欠。この実績を、お客さまに働き方改革を推進するコンセプトとしていく」という。

 企業あたりの商材数は、2018年第1四半期が4.18だったのに対し、2019年第4四半期では4.26となり、「一歩一歩だが、着実に進んでいる」と話している。