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大塚商会の2018年度12月期連結決算、9期連続増収増益を達成 今年度は売上8000億越え目指す
2019年2月4日 06:00
株式会社大塚商会は1日、2018年12月期の決算を発表した。
連結売上高は前年比9.9%増の7598億7100万円、営業利益は同8.3%増の480億5800万円、経常利益は同8.4%増となる492億8500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.5%増となる336億0100万円で、9期連続の増収増益となった。
代表取締役社長の大塚裕司氏は、「半年前(上半期の業績発表)時点では、目標値クリアは少し厳しいと感じられた方も多いと思うが、下期で(上半期の遅れを)取り戻すことができた。連結、単体ともに目標値をクリアとなった」と2018年度業績を振り返った。
今年度(2019年12月期)は、売上高は前年比5.7%増の8030億円、営業利益は同4.9%増の504億円、経常利益は同3.9%増の512億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.8%増の342億1000万円。「初の8000億円台へ挑戦する」(大塚社長)とさらに高い売上達成に挑む。
大塚商会の2018年度単体業績は、売上高が9.6%増の6849億1200万円、営業利益は6.9%増の425億3500万円、経常利益は7.5%増の442億5400万円、当期純利益は6.2%増の306億8600万円。
大塚社長は2018年度の連結売上高・利益について、「大企業需要が堅調で、当社セグメントでいえばラージアカウントユーザーが伸び、売上高が大きく伸びた。ただし、粗利率は厳しくなった」と説明した。
個々のセグメント別の業績
連結セグメント別売上高は、システムインテグレーション事業が前年比13.4%増の4632億9300万円、サービス&サポート事業が同5.1%増の2965億7700万円。
四半期推移では経常利益の四半期推移のグラフを示し、「上半期は予想以上にコピー機のマイナスが大きかった。巡航速度に戻ったとはいえないが、危険水域を脱することはできた。コピー機販売に傾注した結果、複合販売提案が落ち込んでいた」と上半期不調の要因について言及した。
続いて、第4四半期にあたる10月~12月の売上高・利益の状況を説明しながら、「発表会の会場には各地域の責任者も参加しているが、今回は『各地域にふさわしいマネジメントができた。よく頑張った』と言ってやりたい」と話すなど、第4四半期の業績に満足している様子を見せた。
重点戦略事業の業績としては、たのめーるが前年比4.2%増の1599億3200万円、SMILEが同8.3%増の117億1500万円、ドキュメントソリューションのODSが同0.5%減の557億1500万円、OSMが同6.1%増の716億6200万円。
複写機の販売台数は6.3%減の4万1046台で、そのうちカラー複写機が同5.0%減の3万9825台。パソコンは同32.8%増の117万8899台、サーバーは同2.5%増の3万2000台、パソコン以外のものも含めたクライアント合計で同31.8%増の122万2643台。
パソコン販売が好調となっているが、「今回の決算をパソコンがかなりけん引している。Windows 7のサポート終了を控え、Windows 10への移行が増加した。Windows XPの時には需要がうわっと来て、うわっと終わった。ほかのものを一緒に入れ替える余裕もなかった。今回はXPの時に比べ、時間軸に余裕があり、企業もお金を持っている。パソコンにとどまらずオールオフィス商材の入れ替え商談を行うことを目指す。ただし、皆さんお困りのCPU不足は当社にも影響があり、それなりの数の受注残も持っている」と述べ、好調な受注にインテル製CPU不足が影を落としていることも明らかにした。
販売不調が伝えられている複写機については、「小石を積み上げながら、オフィスまるごとになるしっかりとしたソリューションを提案していくことができるよう、会社として向きを変えることができた」と改善の見通しがあると話した。
たのめーるはスタートから20周年を迎え、2018年10月から記念キャンペーンを実施中。たのめーる内で1000点以上の商品を感謝祭として販売している。
Webサービス事業については利用者数が着実に増加し、2018年には237万人が利用。ストックビジネス売上高は、2018年度は前年比140億円増となっている。
2019年度は「お客さまの目線でソリューションを活かし、信頼に応える」
2019年度については、景気はゆるやかな回復、攻めのIT投資、生産性向上、コスト削減ニーズが続き、人手不足への対応や省人化ニーズも根強いと分析。AI、IoTなど新領域の市場拡大、企業のIT活用ニーズと省エネニーズは底堅いと見ている。
こうした概況を受けて2019年度の方針に、「お客さまの目線でソリューションを活かし、信頼に応える」を掲げる。施策としては、地域営業部主体の運営をさらに深化。オフィスまるごと大塚商会となる提案、AIを自社で活用し、お客さまへ提供する。オフィスの2020年問題へのソリューション提案強化を行っていく。
オフィスまるごと大塚商会は、「一般的には事務機器、システム、音声、回線、サプライ、電力などはグループに分かれて提案している。1社ですべてを提供できる点を強みとしていく。現時点では6割が単品取引となっているが、トータルに提供していく商談を増やしていく」とトータル提案をさらに進めていくとした。
AIについては大塚商会社内での利用実績をもとに顧客向け提案を増やしていく。「月15万円から利用できるチャットボットを提供しているが、もっと安いものをとの声もあり、そうした声にこたえることも検討する」(大塚社長)。
オフィスの2020年問題は、企業が抱える課題が多くなることを見越して、「お客さまに起こるたくさんの困ったが2019年、2020年と続いていく。こうした困ったことを解決するための提案をきちんと行うことがチャンスとなる」という。
大塚商会自身も、ITを活用し、社員を大量に増やすこと泣く、社員1人あたり売上をあげながら業績を拡大している。「2019年は休祝日が前年よりも5日多い136日あり、これだけの休みをとりながら売上増を実現しなければならない。ITを活用しながらそれを実現する」とIT活用による効率化を進める方針だ。
2019年度の売上目標は、売上高が前年比5.7%増の8030億円、営業利益が同4.9%増の504億円、経常利益が同3.9%増の512億円、セグメント別の売上高ではSIが4911億5000万円、サービス&サポートが3118億5000万円。
「オフィスまるごと大塚商会で提案を行い、10期連続の増収増益を実現させたい。これが実現できている企業は10数社だと思うが、その仲間入りを果たしたい」(大塚社長)。