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大塚商会の2019年中間決算、絶好調のPC販売が押し上げ、売上・利益とも過去最高に

 8月1日、大塚商会は2019年度(2019年12月期)の中間決算を発表した。連結売上高は、前年同期比15.5%増の4501億5400万円、営業利益は同24.7%増の338億8000万円、経常利益は同24.6%増の347億1000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同25.2%増の235億2200万円。

 単体では、売上高は15.3%増の4073億7200万円、営業利益は26.4%増の304億1200万円、経常利益は25.9%増の319億4900万円、四半期純利益は26.2%増の221億4100万円となった。

2019年1~6月 業績の概況

 7月29日付けで業績予想の上方修正を行ったが、「連結、単体ともに売上高、利益ともに過去最高となった。上方修正は恥ずかしながら、Windows XP特需があった2014年以来のこととなった」と代表取締役社長 大塚裕司氏は説明。今回もWindows 7のサポート終了が2020年1月に迫っていることから、パソコンリプレースが大きな伸びを見せ、売上、利益増に寄与した。

大塚商会 代表取締役社長の大塚裕司氏

 連結売上高予想は、上方修正時に発表した通り。売上高は前回予想よりも370億円増の8400億円、営業利益は同54億円増の558億円、経常利益は同58億円増の570億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同42億4000万円増の384億5000万円。「下半期も売上伸長につながり、来年以降も伸びるための体制を作っていきたい」(大塚社長)と説明した。

パソコン需要がけん引し売上・利益ともに高い伸びを記録

 大塚社長は上半期の売上高と利益について、「昨年上半期の結果はもう一つというところだったが、今年は売上高で2けた増収を継続するとともに、昨年の課題となっていた経常利益でも、連結・単体ともに2けたの伸長という高い伸びを記録できた」と、好調だったことに自信を見せた。

 その要因となったのがWindows 7のサポート終了にともない、リプレースが進むパソコン需要だ。1~6月期のパソコン販売台数は前年同期比55.2%増(31万84台増)の87万1683台と大幅に増加した。

 複写機が同4.9%減(1146台減)の2万2128台、サーバーが同1.9%増(306台増)の1万6734台であるのと比べても大きな伸びを示していることがわかる。

パソコン販売台数の四半期推移

 前回の業績上方修正もWindows XPのリプレース時だったことから、決算会見では、下期のパソコン販売台数はどう推移していくのか、XPリプレース時のように次年度が大きくマイナスとなるといった影響があるのか、といった点に質問が飛んだ。

 下半期のパソコン需要については、「これまでの大企業中心から、中堅・中小企業へと需要フェーズが変わるが底堅く伸びるだろう。不安材料のひとつ、CPU不足は改善傾向にはあるものの、大規模案件が入ると足りないものが出てくることもある。この点については、メーカーと連絡を密にして対応していきたい」と説明した。

 なおWindows XPリプレース時点と比較すると、「XPリプレースの際は、機械(パソコン)を納め、ネットワーク設定をする程度で終わってしまった。今回はあの時とは異なり、働き方改革など、企業が抱える課題に対応したソリューションを提案できている」とのことで、パソコン単体ビジネスよりも広がりあるビジネスができていると説明した。

 Windows 7のサポート終了後についても、「中堅・中小企業に目を移すと、働き方改革につながる、外出先で仕事をするためのノートパソコン導入といったことは、未整備なところも多い。そういった需要がサポート終了後にも残ることから、XPの時ほど大きな反動はないのではないか。希望的観測も混じるが」とし、大きな落ち込みにはならないのではないかとの見通しを示した。

分野別の詳細

 業績の詳細としては、連結セグメント別売上高はシステムインテグレーション事業が前年同期比23.1%増の2979億5600万円、サービス&サポート事業が同2.9%増の1521億9800万円。

 単体の詳細セグメント別売上高は、SI関連商品が2292億7400万円、受託ソフト等が272億3100万円、サプライが772億9100万円、保守等が735億7400万円。

連結 セグメント別売上高
単体 セグメント別売上高

 また、4~6月の連結売上高・利益は、売上高は2314億7200万円、営業利益が192億3100万円、経常利益が196億2300万円、純利益が134億8000万円となった。

 「粗利が2けたの伸長となった。これはソリューション提案に注力した結果。販売台数が下がったコピー機をはじめ、利益が出る形へビジネススタイルを変えることに成功した。単にパソコン販売台数が伸びているにとどまらず、全体が伸びた」(大塚社長)。

売上高の四半期推移
2019年1~6月 業績の概況

 詳細セグメント別売上高増減率の四半期推移でも、SI需要が順調に増加し、保守も増加しているという。

 顧客企業年商別売上構成では、大企業の割合が50.43%と半数を超えた。

 正社員の人数も初めて9000人を超え、9027人となった。「10年くらい前は、ほぼ同じ人数で推移していたが、現在はじわじわと人員数が増加している。人を全く増やさないと思っているわけではない」(大塚社長)。

顧客企業の年商別売上構成
顧客企業の業種別売上構成
正社員の職種別人員構成

 複写機については台数でマイナスが続いているものの、「価格競争を止め、ソリューション提案へビジネスをシフトした。その結果、複写機の粗利率は7.1%となり、販売台数が減ってもきっちりと収益が取れる体制になってきている」と述べ、収益重視へと変化していることをアピールしている。

 たのめーるも売り上げが増加しているが、取扱商品点数は60万点を超えた。「スタート時点では5万点の商品だったことを考えると、多彩な品ぞろえで、幅広いユーザー獲得につながっている」(大塚社長)。

重点戦略事業の状況
複写機台数の四半期推移
たのめーる年次推移

 提供しているWebサービスの利用者数は、13万人増加し、251万人の利用者を持つ。「たよれーる給与業務支援サービス」、「たよれーるOffice365」、「たよれーるどこでもキャビネット」といったサービスが利用者を増やした。

 安定した収益につながるストックビジネスは、56億円売り上げを増やした。「安定した収入を、今年のうちにしっかりと伸ばす」と引き続き、利用者拡大を進める。

主なWebサービスの利用人数推移
ストックビジネスの推移

オフィス内のあらゆる製品を提供していく

 下半期の計画としては、基本方針と中期計画に変更はない。市場環境についても、「対中国市場、韓国との動向など不安材料はあるものの、リーマンショック時に比べれば恵まれた環境にある」と分析する。

基本方針と中期計画

 ビジネスを進めるポイントとなるのが、「オフィスまるごと大塚商会」としてオフィス内のあらゆる製品を提供していくことだ。

 「当社が取り扱う商材は、事務機系のFAXや複写機、ネットワーク回線、機器、サプライ、電力関連、サーバー、ソフトウェアなどシステム系と幅広く、全部を1社で扱う企業は世界で見てもまれ。現在、約67%のお客さまは単品取引にとどまっていることから、このお客さまにもう一品販売するだけでも大きな需要がある。といっても、売りたい物を一方的に売るのではうまくいかない。きちんとお客さまとお付き合いをして、取引商品を増やしていきたい」と製品、サポートなどをアピールしていく。

2019年下期の方針と施策
オフィスまるごと大塚商会

 オフィスを取り巻く環境としては、Windows 7のサポート終了にとどまらず、働き方改革や水銀灯の生産終了など対策が必要な課題が2020年までに続いていく。これを「オフィスの2020年問題」として改善製品を提案していく計画だ。

 特に働き方改革は、大塚商会自身が営業者にモバイルプリンターを積み込み、社外で仕事ができる環境を整えるなどの取り組みを行っている。新たに名刺管理システムの活用もスタートし、「出先で名刺の写真を撮って社に送れば、戻ってきた時にはデータとして登録されている。これが成功すれば、外部への販売も検討したい」と自社の実践を販売にもつなげることを計画する。

オフィスの2020年問題
働き方改革の取り組み

 1企業当たりの商材数推移として、複写機のユーザーがわずかなポイントながらあがっているデータを示し、「昨年の第1四半期が4.18だったのに対し、今年第2四半期には4.22となった。小さな数字と思われるかもしれないが、0.03ポイントで3000社が動いたことになる」と販売商材数を積み上げていく姿勢を強調した。