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データを“つなぐ”ビジネスを推進、HULFTにも新機能投入――、セゾン情報システムズ
2019年11月11日 06:00
株式会社セゾン情報システムズは7日、ファイル連携ミドルウェア「HULFT」の新機能「クラウドストレージオプション」の提供を始めた。主要パブリッククラウドAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)とのデータ連携を、オンプレミスの技術者が、新たな技術習得なしに実施できる。
同社では今回の新機能をはじめ、HULFTなどデータ連携ソフトを中核に、企業の意思決定、経営刷新につながるサービス「リンケージ・ビジネス」を事業の柱とする戦略を進めている。
HULFTの機能拡充をさらに進めていくと同時に、今後、データ連携のための新たな製品拡充なども実施する計画で、データ連携に関連する新製品投入も計画。リンケージ・ビジネスをさらに推進していく。
リンケージ・ビジネスを推進
セゾン情報システムズ 代表取締役社長の内田和弘氏は、「私が社長に就任したタイミングは、大型システムの納期締め切りが大幅に遅れた時期で、それ以来、会社をどのように成長軌道に乗せるのかをずっと考え続けてきた。幸い、大型システムは昨年、一昨年と無事に稼働したが、大型システム完遂後にはそれ以外の事業で、どう収益を確保していくのかが課題となる」と前置き。
その上で、「当社の従業員数は1500人弱で企業規模を追求しても太刀打ちできない。むしろ、小さなマーケットではあるがダントツの存在感を持つに至ったHULFT、DataSpiderを主軸として戦う分野を決め、さらに強みを追求する。既存事業では徹底した生産性向上をはかり、生産性向上で確保したリソースで新技術を用いた収益性の高い事業展開と、新領域での拡販を行うバイモーダル・インテグレーターという戦略をとっていく」と、リンケージ・ビジネスを推進する背景を説明した。
HULFT、DataSpiderの特徴である“さまざまなデータをつなぐこと”は、データが重視されることでさらに活用場面が増えているという。
「つながることで生まれる価値は、今後も変わることはない。例えば複数のクラウドベンダーのシステムデータをつなぐといった場面で、HULFTは大きな武器となっている。特にHULFTは、障害発生率が0.1%と低いことが強みで、安心して使えるという声をいただいている」(内田氏)。
日本でも導入する企業が増えている海外の有力SaaSベンダー製品のデータと、社内のシステムのデータをHULFT、DataSpiderを使って連携。さらにデータ連携基盤を構築して全社統合型Data連携サービスを提供することも計画している。
「現段階ではコンカー、Tableauとの連携を実現しているが、さらにファイナンス系、HR系などのSaaSとの連携を検討している。エンタープライズのさまざまなシステムは形式が違うため、HULFTを使ってデータを集め、Tableauを使って分析し、経営者の意思決定スピードをあげる。経営層がデータを集める手間などに時間を使わず、経営のための意思決定という専門性だけに特化してもらえる環境を作っていく」(内田氏)。
具体的な戦略としては、HULFTに関しては「競合が多い中で、HULFTの知名度、安心して使えるという信頼感は今後も重視していく」(セゾン情報システムズ 取締役 HULFT事業部長の山本善久氏)という。
12月4日から提供開始する新機能「クラウドストレージオプション」もそのひとつ。社内にオンプレミス、クラウドの両方を知っている技術者がいなければ難しかったデータ連携を実現する。セゾン情報システムズ自身がこの機能を活用。災害復旧用バックアップストレージをクラウドに移行する際に活用した。バックアップストレージのデータをクラウドに移行したことで42%のコスト削減を実現するなど効果が出た。
プロダクトではこのほかに、Data Spiderと協業を発表したDataRobot用アダプタを提供開始する。アダプタを利用することで、IT専門家だけでなく、現場のノンIT部門の人でもデータ活用できる環境となる。
データを加工し、集めて活用していくデータマネジメントソリューションとしては、どこにデータがあるのかを可視化する「Data Identification」、データ活用のための準備「Data Quality」、データ活用のための準備「Data Prep」、さらに一気通貫でデータを活用するためのデータ連携基盤を、今後3年程度かけてそろえていく。