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セゾン情報、マルチクラウド監視サービス「SAIMON」を本格展開 サービス拡大に向け新規顧客への提案活動を開始

 株式会社セゾン情報システムズは17日、マルチクラウド監視サービス「SAIMON(サイモン)」に関する記者説明会をオンラインで開催し、今後、同サービスを本格的に展開していくことを発表した。

 あわせて、同社テクニカルサポートセンターのHULFT・DataSpider製品サポートチームが、在宅勤務に完全移行した取り組みについても紹介した。

クラウド対応型の統合運用監視サービス「SAIMON」

 「SAIMON」は、システム管理にかかわる手間や負担を削減し、顧客本来の業務に注力できるようサポートするクラウド対応型の統合運用監視サービス。サーバーやネットワークの正常性確認・異常通知を行う「監視サービス」と顧客の監視業務を代行する「運用サービス」を24時間365日体制で提供する。昨年3月にリリースし、これまでは既存の同社顧客のクラウド移行に合わせて、サービスの提案・提供を行ってきたという。

 セゾン情報システムズ カスタマーサービスセンター センター長(兼)カスタマーサービス部 部長の吉原淳氏は、「SAIMON」の導入メリットについて、「『SAIMON』では、IT運用サービスで50年にわたる確かな実績を持つ当社のサポートスタッフが、安全かつ高品質のサービスを提供する。『SAIMON』を導入することで、顧客側で専任体制を構築することなく、24時間365日のシステム監視を行うことが可能になる。また、多様化、高度化するIT環境の保守運用に時間を割かれることなく、自社のコア業務に注力・専念できる環境を実現する。さらに、発注から5営業日と短期間での提供が可能で、価格も初期費用が15万円から、月額費用が5万円とローコストで監視サービスを開始することができる」と説明する。

セゾン情報システムズ カスタマーサービスセンター センター長(兼)カスタマーサービス部 部長の吉原淳氏

 「SAIMON」では、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど複数のクラウドを監視対象として管理することが可能。多種多様な監視対象コンポーネントに対する死活監視やログ監視を実装しており、異常が発生した場合はメールやSlackでの通知と架電連絡を行える。

 また必要なオペレーションについては、監視システムのWebダッシュボードを用意し、顧客自身で実行可能な環境を提供している。

「SAIMON」のサービス概要

 オープンソースソフトウェア(OSS)の監視ツール「ZABBIX」とクラウド特化型監視SaaSの「DATADOG」を活用した監視システムのため、既存の監視製品を導入するのに比べて大幅なコスト削減が可能。さらに、データセンターレベルの冗長化とコンテナ技術の採用により高可用性を担保する。万が一、災害などの障害発生した場合も最短18秒で監視を再開できるという。

 今後のサービス拡大に向けた展開について吉原氏は、「現在『SAIMON』は、金融・小売業など4社8システムに導入されており、構築中の顧客を含めて、今年中に6社16システムまで導入拡大する予定となっている。今後は、さらなるサービス拡大を目指して、体制強化を図るとともに、既存顧客だけでなく新規顧客への提案活動も本格的に展開していく。主なターゲットとしては、情報システム管理者やシステム企画・構築担当者、システム運用担当者を想定している。特に、ネクストノーマル時代に向けた活用提案として、Webダッシュボードにより在宅など場所に依存しない早期の障害検知・状況把握・初動開始が可能になる点や、災害対策を踏まえたシステム全体の24時間365日監視に対応できる点をアピールしていく」との考えを示した。

HULFT・DataSpider製品サポートチームが在宅勤務に完全移行

 次に、同社テクニカルサポートセンターのHULFT・DataSpider製品サポートチームが、在宅勤務に完全移行した事例について説明した。同社では、テクニカルサポートセンターの在宅勤務に向けて、2014年からサポート環境を完全クラウド化するプロジェクトをスタート。まず、テクニカルサポートセンターの基盤として「Service Cloud」(Salesforce)を導入し、2019年からBCP対策としてCTIシステムのクラウド化を検討開始した。

 「当初は、東京オリンピックの開催を見据えて、在宅勤務への移行を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出されたことを受け、プロジェクトを前倒しすることとなった。そして、今年6月からクラウド型コンタクトセンターサービスの『Amazon Connect』を導入し、電話、メール、Webでのサポート対応をすべて在宅で行える環境を構築した」という。

在宅勤務に完全移行後のテクニカルサポート環境

 「Amazon Connect」導入後の効果については、「顧客にとっては、問い合わせのチャネルが増えたことで利便性が向上し、特にFAQの利用率が導入前の約5倍に増加した。また、サポート担当者は、システム統合による作業の簡略化や在宅勤務による安心感から、従業員満足度調査(ES調査)の満足度が導入前の50%から80%に高まった。さらに、顧客への回答の指標である当日解決率は、2014年以前は30%にも満たなかったが、直近では70%を超えるまでに向上した」としている。

「Amazon Connect」の導入効果