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セゾンテクノロジー、「HULFT10」で追加される圧縮方式「Zstandard」の先行体験版を提供

新技術による転送速度向上をいち早く体験可能

 株式会社セゾンテクノロジーは、ファイル転送ソフトウェア「HULFT(ハルフト)」の新版「HULFT10」で追加される圧縮方式「Zstandard」の先行体験版を、7月1日より無償で提供開始すると発表した。製品を利用中の企業は、ポータルサイト「myHULFT(マイ ハルフト)」から無償でダウンロードできる。

 HULFTは、企業の情報システム内に混在するメインフレームやUNIX、Linux、Windowsのほか、クラウド上のシステムで生成されるログデータやCSVファイルなどのあらゆるデータを、ファイル単位で転送するソフトウェア。

 一方のZstandardは、Facebookに所属するYann Collet氏によって開発された可逆圧縮アルゴリズム。2016年8月にBSDライセンスでオープンソースソフトウェア(OSS)として公開されており、Zipやgzip、zlib等で採用されている圧縮アルゴリズム「Deflate」よりも圧縮の展開速度や効率に優れていることが特長という。

 現行バージョンの「HULFT8」では、圧縮アルゴリズムとしてDeflateに対応しているが、HULFT10では、Deflateに加えてZstandardに対応。同社による計測では、HULFT10同士で転送処理を実行した場合、FTPとの比較で約8倍、HULFT8と比較して約1.4倍の転送性能向上が見込めるとした。

 今回提供開始するZstandard先行体験版は、HULFT8にZstandard圧縮方式を追加したもので、HULFTを利用中の企業にいち早く転送速度向上を体験してもらう目的で開発された。それ以外の機能や画面はHULFT8と同一となっており、Windows版とLinux版の2種を展開する。

 セゾンテクノロジーでは、これを利用することで、転送速度の向上をいち早く体験し、先行して提供される最新情報を今後のバージョンアップ計画策定に役立てられると、その意味を説明している。

 なおHULFT10はハイブリッド環境での利用を想定して開発され、第1弾の「HULFT10 for Container Services」は2月より販売開始された。2024年下半期には、第2弾として「HULFT10 for Linux」「HULFT10 for Windows」等、サーバーOSに対応した製品の販売開始を計画しており、Zstandard圧縮方式はこれらの製品に導入される予定となっている。