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セゾン情報、リンケージサービスのモダンファイナンスメニューを強化・拡充

「SAP Aribaリンケージサービス」と「完全ペーパーレス請求書オプション」を発表

 株式会社セゾン情報システムズは13日、企業内・企業間およびSaaSと各種システムとの連携を行う「リンケージサービス」のモダンファイナンス(財務・経理部門)メニューを強化・拡充すると発表した。

 新たに、調達・購買ソリューション「SAP Aribaリンケージサービス」と、「SAP Concurリンケージサービス」の「完全ペーパーレス請求書オプション」を、11月1日から受注開始する。

 同日には、「リンケージサービス」を強化・拡充する狙いや新たに提供開始するサービスの概要について、オンライン説明会を開催した。

全社統合型のデータ連携環境を構築するリンケージサービスを強化

 リンケージサービスは、同社が提供するファイル連携・データ連携ソリューション「HULFT」および「DataSpider Servista」を活用し、アナログ業務をデジタル化、データ化するサービスで、モダンファイナンス(財務・経理部門のDX)とモダンマネジメント(経営・業務部門のDX)の2系統のメニューを用意している。同サービスでは、企業内・企業間のシステムとSaaS系サービスをつなぐだけでなく、データ連携基盤を構築して全社統合型データ連携サービスを提供する。

 また、提供しようとするサービスをまず自社で導入し、課題整理、効果確認、知識の蓄積を行ったあと、サービス化しているため、自社導入による経験、知見によって、顧客先での課題を早期発見、解決できるという。

リンケージサービスの概要とモダンファイナンスメニューの強化

 今回、モダンファイナンスのメニューを強化・拡充する背景について、セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長の花香勝氏は、「リンケージサービスは2015年から提供を開始し、2019年度時点で累計導入社数は132社まで拡大している。売上高についても、2019年度は前年度比148%と大きく伸長した」と前置き。

 「一方で、昨今のコロナ禍を受け、顧客からモダンファイナンスに向けた課題として、『請求書のペーパーレス化』『会計システムとの自動連携化』『間接材の調達コストの見える化』といった声が多く聞かれるようになった。そこで、こうした課題に対応するべく、新たに『SAP Aribaリンケージサービス』を提供し、購買部門を含めた資金管理のデジタル化を支援する。さらに、『SAP Concurリンケージサービス』に、『完全ペーパーレス請求書オプション』を追加することで、財務・経理部門での請求書処理のデジタル化を促進していく」と説明した。

セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長の花香勝氏

調達・購買プロセスのデジタル化を支援する「SAP Aribaリンケージサービス」

 具体的なサービス内容としては、「SAP Aribaリンケージサービス」では、SAPジャパン(以下、SAP)が提供する調達・購買ソリューション「SAP Ariba」と、「DataSpider Servista」を組み合わせ、調達・購買プロセスのデジタル化を支援する。また、SAP Aribaの導入だけでなく、ほかの基幹系システムやさまざまなシステム間を連携するデータ連携基盤の構築もサポートするとのこと。

「SAP Aribaリンケージサービス」の概要

 セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部 部長の今野達矢氏は、「SAP Aribaとのデータ連携により、購買プロセスをデジタル化することで発注から請求までの業務効率化を実現できる。また、調達・購買部門の課題である間接材の調達コストも含めて全支出を可視化し、統制を強化することで、コスト最適化を図ることが可能になる」としている。

セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部 部長の今野達矢氏

 同社では、「SAP Aribaリンケージサービス」の提供開始にあたり、SAP Aribaの自社導入を6月から開始しており、9月末で第一フェーズを完了し、9月14日から新システムへの移行を完了している。

 SAP Aribaへの移行は、将来のグローバル対応を含め、運用負荷・可用性/インフラの制約/夜間停止などの課題を解決が目的。あわせて、契約条件で定めている物品発注についても、見積もりから承認プロセスを削減するなど、業務プロセスの見直し(最適化)を実施した結果、年間発注工数の約25%を削減し、リードタイムを1~2日短縮するなど大幅な業務効率化を実現したという。

 今後、フェーズ2では、部門購買の電子化と自動支払いによる工数削減に取り組んでいく計画。

完全ペーパーレスでの請求処理を実現する追加オプションを提供

 一方、「完全ペーパーレス請求書オプション」は、「SAP Concurリンケージサービス」で導入している「Concur Invoice」と連携するApp Centerソリューションとして、ファーストアカウンティングが提供するAI-OCRソリューション「Remota(リモタ)」を組み合わせ、完全ペーパーレスでの請求処理を実現する追加オプションとなる。

 紙伝票の廃止を目的とし、紙ベースで行われている押印業務を電子ワークフローに置き換えることで、業務の効率化を図ることができる。

「完全ペーパーレス請求書オプション」の概要

 また、RemotaとオンラインストレージのBOX、SAP Concurを組み合わせ、指定メールアドレスへの送信、またはBOXフォルダに請求書の画像やPDFデータを置くことで、DataSpider Servistaが自動入力・自動仕訳など後続処理の自動化支援を行う。さらに、リンケージサービスとしてワンストップで提供することで、Concur Invoice導入の際に必須となる基幹会計システムとの連携をDataSpider Servistaを用いて自動化することもできる。

 今野氏は、「コロナ禍によって、多くの従業員が在宅勤務にシフトしている中で、経理部門は紙請求書の受領のために出社を余儀なくされている。また、紙で届く請求書を手作業でパンチ入力するため、人的ミスが発生するリスクも抱えており、こうした紙の請求書処理がデジタル化の足かせになっている。これらの課題に対して、『完全ペーパーレス請求書オプション』を活用することで、紙請求書の完全ペーパーレス化を可能にするとともに、請求書処理から会計システムとの連動までを自動化し、経理部門のオフィス出社や入力業務を大幅に削減することができる」と、導入メリットを強調した。

 なお、「SAP Concurリンケージサービス」の提供開始は今冬を予定している。また、「完全ペーパーレス請求書オプション」は年内に提供を開始する予定。