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ロジクール、オールインワン型のWeb/ビデオ会議ソリューション「Tapルームソリューション」

Microsoft、Zoom、Google向けをそれぞれ提供

 株式会社ロジクールは18日、Web/ビデオ会議ソリューション「Tapルームソリューション」を発表した。7月下旬より代理店を通じて販売開始するという。

 「Tapルームソリューション」は、Web/ビデオ会議用タッチスクリーンコントローラに、カメラ、スピーカー、マイク、ミニPCをセットにしたもので、Microsoft、Zoom、Googleとの戦略的パートナーシップに基づいて、各社のソリューションに対応した製品をそれぞれ用意する。Google Hangouts Meet用は2019年8月下旬から、Microsoft Teams Rooms用およびZoom Rooms用は、2019年9月上旬から出荷する。

ロジクールのTapルームソリューション
Google Hangouts Meet用Tapルームソリューション
Microsoft Teams Rooms用Tapルームソリューション
Zoom Rooms用Tapルームソリューション

 これまでロジクールでは、会議室向けに高品質なカメラや、USBで接続できるビデオ会議デバイスを提供してきた経緯があるが、今回は新たにWeb/ビデオ会議用タッチスクリーンコントローラを開発。Microsoft、Zoom、GoogleのソフトウェアをプリインストールしたミニPCとセット販売することにより、導入コストを削減するとともに、わずらわしい設定を行うことなく、手軽にWeb/ビデオ会議ソリューションが導入できるようになるという。

 「Tapルームソリューション」では、1・2人の少人数の打ち合わせから、46人が参加する大規模な会議までをカバー。小型ブース、小会議室、中会議室、大会議室、教室、ウェビナーなど、会議を行う場所の広さにあわせて3種類のセットのなかから選択することができる。

小規模から大規模までをカバー

 また、Web/ビデオ会議用タッチスクリーンコントローラ「CSL100」では、さまざまな操作がワンタッチで可能。これまで使っていたソフトウェアに登録された連絡先を画面に表示でき、それを押すだけで会議をはじめることができる。

 会議の参加や、カメラのオン・オフ、音量の操作もタッチパネルで行え、PCとHDMIで接続することで資料の共有を容易にできる。画面は触っても汚れにくく、外光の映り込みが少ない特徴を持つほか、接続する配線を内部に固定できるため、見た目にも煩雑さがなくなるという。タッチスクリーンコントローラのパネルサイズは10.1型。重量は1.25kg。

タッチスクリーンコントローラの裏側にケーブルが収納できる

 さらに、ロジクールの「RightLightテクノロジー」を採用したLogicool Rallyカメラを利用することで、薄暗い部屋や逆光でも、出席者の顔が明るく見えるようできる。また、会議室内の参加者全員が収められる自動ズーム機能も搭載した。

 音質に関しても、「RightSoundテクノロジー」を採用することで、周囲の雑音を抑えながら、声のボリュームなどを自動で整えて聞き取りしやすくする。会議室を歩き回りながら話しても相手にクリアに届くという。

 米テキサス州オースティンからビデオ会議システムを通じて会見に参加した、米Logitech International(ロジクールの米本社)のサイモン・ダッドリー(Simon Dudley)シニアディレクターは、「USBを活用して、簡単に使えるビデオ会議システムは、世界中で最も導入されているものだが、多くの人がリモコンの操作を煩雑だと感じているだろう。そこで、タッチスクリーンのコントローラを新たに開発した。しかも、テーブルに設置するだけでなく、ウォールマウント、ライザーマウントなどの設置方法も選択可能で、初期設定は約2時間で完了できる。製品は、どのソフトウェアか、どのサイズかを選ぶだけで済む。画期的なビデオ会議システムだ」などと述べた。

Logitech Internationalのサイモン・ダッドリー(Simon Dudley)シニアディレクター

 一方、ロジクールの笠原健司社長は、「当社はコンシューマのイメージが強く、事業の屋台骨であることに間違いはない。だが昨今では、ビデオ会議システムを中心としたB2Bに強くコミットし、投資を行っている。ビデオ会議システムの全世界の売上高は、過去4年間で年平均43%増となっており、日本でも同様の成長率を遂げた」と話す。

 さらに、「この市場は、今後もビジネスの機会が大きいとみている。調査によると、現在、ビデオ会議システムが入っている会議室は全体の5%にとどまる。残る95%の会議室にビジネスチャンスがあるといえる。そこに向けて当社は、世界初の4KカメラのBRIOや、スピーカーオールインワンシステムのMeetUp、大規模会議向けのRallyカメラやRallyをラインアップしている。これらの製品は使い勝手がいいのが特徴であり、ITリテラシーが高くない人でもすぐに利用できる。ビデオ会議システムを普及させるためには使い勝手が重要だ。また、数万円から購入できるという価格設定も特徴にしている」と述べた。

 このほか、「グローバルの戦略パートナーとして、Microsoft、Zoom、Googleの3社と提携した。Tapルームソリューションでは、事前検証を行った機器を導入できるため、IT部門などの手を借りずに導入を行える。日本ではブイキューブ、ジャパンメディアシステムともパートナーシップを組んでおり、メジャーなクラウドベースの会議ソリューションのすべてと接続できるようになっている。瞬時に接続して、すぐに利用できる形で提供している」とも語った。

ロジクールの笠原健司社長

 なお、パートナーシップを組むZOOMの日本法人である、ZVC JAPAN カントリーゼネラルマネージャーの佐賀文宣氏は、「ZOOMは、世界で最も利用されるビデオ中心のユニファイドコミュニケーションプラットフォームであり、それをクラウドで提供している。売上高は3億3100万ドルあり、前年比118%増という大きな成長を遂げている。日本法人は2019年からスタートし、現在23人の体制。年末には40人にまで拡大する。すでに日本で2000社以上の顧客があり、毎月100社ずつ増加している。今回のロジクールのTapルームソリューションは、会議室の規模ごとに選びやすいパッケージであり、すぐに使える点が特徴である」などとした。

ZVC JAPAN カントリーゼネラルマネージャーの佐賀文宣氏

 一方、ロジクールでは、2019年7月22日~9月6日まで行われる「テレワーク・デイズ2019」にあわせて、テレワーク導入を支援する「テレワーク・デイズ応援プログラム」も実施する。

 具体的には、7月22日~9月27日までの期間、小会議室向けビデオ会議カメラ「MeetUp」の無償貸し出しを行ったり、割引キャンペーンを実施したりする。また、Tapルームソリューションの体験セミナーおよび相談会の実施のほか、在宅およびモバイルワーク向けの推奨製品の提案も行う。

 ロジクール 法人事業本部マーケティング部の横山大介部長は、「ロジクールもテレワーク・デイズ2019に参加している。テレワークに取り組む日本の企業を支援していきたい」と述べた。

ロジクール 法人事業本部マーケティング部の横山大介部長