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ピュア・ストレージ、FlashBladeやFlashArrayのアップデートを発表

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュア・ストレージ)は16日、報道向けオンライン説明会を開催。2021年の事業戦略とストレージOS「Purity」の機能向上、それによるストレージ製品「FlashArray」および「FlashBlade」の機能拡張などを解説した。

 なお、米国本社は2021年1月末にFY2021(2021年度)の期末を迎え、売上高は対前年比2%増の16億8400万ドルとなった。日本法人の代表取締役社長である田中良幸氏は、「前年度は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたチャレンジングな1年となったが、プラス成長を維持することができた。業績を振り返ると第4四半期にはサブスクリプションサービスが32%の成長、1000万ドルを超える取引が8件となった」と説明。2021年2月にスタートしたFY2022(2022年度)については、「マーケットに復調の兆しが出ており、2けた成長となる対前年比15%増の実現が見えている」と成長に強い自信を見せた。

代表取締役社長 田中良幸氏

ストレージ製品のソフトウェアをアップグレード

 ピュア・ストレージが標榜する「モダン・データ・エクスペリエンス」について、ピュア・ストレージのプリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏は、「この先、10年のデータプラットフォームのあり方を提案したもの」と説明した。

 最新機能としてFlashBladeとFlashArray全体でファイルサポートとランサムウェア対策を統合することで、企業が安全にグローバルなデジタルビジネスへと移行することを支援していく。

プリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏

 FlashBladeのアップデートについてピュア・ストレージのエマージング・テクノロジー・ソリューション・セールス データ・アーキテクトの城野英彦氏は、「ランサムウェア対策を行うことが現実的になっている中、従来のシステムごとに異なるファイルアーキテクチャで、ワークロードごとにサイロ化されていたデータ保存という方向性を、徐々になくしていくことが必要になっている」と指摘する。

エマージング・テクノロジー・ソリューション・セールス データ・アーキテクトの城野英彦氏

 そうした際に必要となる、一貫したデータ保存を実現しているのが、ファイルストレージとオブジェクトストレージを統合する、統合型高速ファイル/オブジェクト(UFFO)プラットフォームとしてのFlashBladeだ。

 そのFlashBladeでは、今回、ネイティブSMBサポートによって非常に高いスループットと低レイテンシのIOPSを実現した。複数のワークロード、任意のサイズのファイル、順次またはランダムI/Oアクセスが同時にサポートされる。

 ユーザーは、レプリケーション、ファイルシステムのロールバック、SafeModeスナップショットなど、既存のデータサービスの豊富なセットを使用してWindowsアプリケーションを高速化し、ランサムウェア被害から迅速に回復できる。

 検証済みのソリューションには、高速バックアップとリカバリを必要とするSQLファーム向けの、毎分1TBを超える速度でのヘルスケアPACSアプリケーションとSQL Serverバックアップが含まれる。

 またFlashBladeの新しいクロスプロトコル・ファイルセキュリティ設計により、SMBユーザーとNFSユーザー間のアクセス制御の相互運用が可能になり、米国連邦政府のセキュリティ指令に準拠するだけでなく、両者のアクセス制御リストが保持される。

Purity//FlashBlade 3.2の特徴

 一方、FlashArrayのスケールアップアーキテクチャは、パフォーマンスと容量のバランスを取り、VDI、ファイルサーバーの統合、ユーザーのホームディレクトリ、およびファイル共有のための運用ファイルサービスを提供する。FlashArrayのファイル機能は、重複排除や圧縮などの固有の機能の価値を高める。

 「データ保護、リストア、ヘルスケアPACS、モダン分析、AIクラスタなど豊富なソリューション・セットを用意しており、最新のデータアプリケーションを単一のスケーラブルなプラットフォームに統合することができる」(城野氏)。

Purity//FlashArray 6.1の特徴

 なおFlashBladeとFlashArrayはどちらもSafeModeスナップショットによって強化され、データが常に安全で、数秒で回復できるようにする保護ツールの、完全なポートフォリオを提供する。スナップショットとポリシーベースの保持により、ランサムウェア攻撃に起因する収益の損失、身代金の支払い、ブランド損傷といったリスクから企業を保護できるとのこと。

 さらにUFFOプラットフォームであるFlashBladeは、S3シンプル・ユーザーポリシーで強化されたオブジェクトセキュリティを提供し、ユーザーレベルでのアクセス制御を可能とした。

 きめ細かいユーザーレベルのパフォーマンスモニタリングは、最もアクティブなユーザーをリアルタイムで可視化するための重要な要件を満たし、統合されたREST APIとPython SDKを使用して、FlashBlade、FlashArray、Pure1全体の自動化エクスペリエンスを向上させることが可能とのこと。

 ピュア・ストレージではこうしたアーキテクチャの進化とともに、サブスクリプションでストレージ利用など利用面での進化も進めている。

 2021年度第4四半期では、サブスクリプションサービスが新規顧客、既存顧客の両方で増加し、対前年比32%成長となった。

 日本での状況について田中氏は、「確実にサブスクリプション需要が伸長している。これは日本市場でも同様で、パートナー各社と共にサブスクリプション拡充を進めた結果、リアクションが大きい。特にグローバル企業からの引き合いが増えている。システム設計の中にサブスクリプションを組み入れた設計を行う、柔軟な購買方法を検討する企業が増えている」と説明している。