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Microsoftが「HoloLens 2」発表、没入感や快適性などを向上 3500ドルで年内発売予定

 米Microsoftは24日、Mixed Reality(MR:複合現実)デバイスの新製品「Microsoft HoloLens 2」を発表した。製品は2019年中に、まずは米国、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、豪州、ニュージーランドで発売される予定で、日本向けサイト(英語)も公開された。想定価格は3500ドル。

 HoloLensは、2016年にリリースされた初代HoloLensの後継製品で、ユーザーからの要望に基づき、没入感、快適性、価値創造時間の迅速化、といった3つの分野で機能を向上させている。

 没入感については、ホログラムをより鮮やかでリアルに改善。1度あたり47ピクセルのホログラフィック密度を維持しながら、視野角を2倍以上に広げたほか、新たなディスプレイシステムの採用により、低消費電力でパフォーマンスを向上させているとのこと。

 さらに、ホログラムとの対話方法を刷新。新たなTOFデプスセンサー(time-of-flight depth sensor)を内蔵AI、意味論的理解(semantic understanding)と組み合わせて利用することにより、現実世界で物体を操作するのと同様に、直感的なジェスチャーでホログラムを直接操作できるという。

 加えて、アイトラッキング(視線追跡)センサーの搭載によって、ホログラムとの対話がより自然に行えるようになった。Windows Helloを利用した虹彩認証によるログインも可能で、複数人数でも迅速かつ安全にデバイスを共有できるとしている。

 2つ目の快適性の向上は、重心にバランスを持たせ、軽量のカーボンファイバー素材を採用したことに加えて、再調整なしでデバイスを装着する新たなメカニズムを取り入れたことにより実現した。新しい蒸気密封技術(vapor chamber technology)により、温度管理も改善されたという。

 また、生理学的に大きく異なる頭の大きさや形に対応できるよう、ほぼすべての人々が快適に調節して合わせられるように設計されたとのことで、新たなダイヤルイン式の装着システム(dial-in fit system)により、連続して長時間着用していても快適さが保たれるとした。

 さらに、メガネの上を滑らかに動かして合わせられるため、メガネをつけたまま利用できるような改善を実施。MRから抜け出す際には、バイザーを上げて数秒でタスクを切り替えられる。

 Microsoftでは、こうした機能強化により、デバイスの快適さやエルゴノミクス(人間工学性)は測定上3倍以上に向上したとアピールした。

 3つ目の価値創造時間の短縮は、Dynamics 365やRemote Assist、Dynamics 365 Layout、および新しいDynamics 365 GuidesといったMicrosoftのMRアプリケーションによって実現されるとのこと。このほか、MRパートナーのエコシステムによってHoloLens上にさまざまな製品が構築され、多様な業界やユースケースに対し価値を提供するとしている。

 製品の提供は2019年中を予定しており、想定価格は3500ドル。Dynamics 365 Remote Assistがバンドルされたものは1ユーザーあたり月額125ドルで利用できるという。なお日本でも、マイクロソフトストアの電話窓口にてHoloLens 2のプレオーダー受付を開始しているとのことだ。