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レッドハット、構成管理ソフトウェア「Red Hat Ansible Automationファミリー」を国内で提供開始

 レッドハット株式会社は9月29日、サーバーなどの構成管理ソフトウェア「Red Hat Ansible Automationファミリー」新製品について、日本での提供やその価格などを発表した。米国での9月7日の発表を受けてのもの。Red Hat Ansible Automationファミリーの新製品は10月1日より提供を開始する。

 Red Hat Ansible Automationファミリーは、サーバーなどの構成や設定を自動化するツール群だ。もともとオープンソースで開発されていた「Ansible」をもとに、Ansibleを管理する製品「Ansible Tower」を製品として販売していた。

 今回の発表ではまず、従来コミュニティベースで提供されていたAnsible本体(Ansible Core)が「Ansible Project」と名称を変更。そして、Ansible Projectにエンタープライズサポートを加えた製品版「Ansible Engine」が新しく登場した。

 Red Hat Ansible Engineでは、ネットワーク機器を管理するためのアドオン「Red Hat Ansible Engine Networking Add-on」も利用できる。

 ネットワークプラットフォームとしては、Arista EOS、Cisco IOS、Cisco IOS XR、Cisco NX-OS、Juniper Junos、VyOSに対応する。なお、今回リリースされるRed Hat Ansible Engineは、Ansible Projectの最新版と同じくバージョン2.4。

 またAnsible Towerについてはその逆で、製品版をもとに、オープンソースコミュニティ版の「AWX Project」を開始した。今回はRed Hat Ansible Towerの新版のバージョン3.2がリリースされる。

 さらに、これらAnsible EngineとAnsible Towerのソフトウェアファミリーを「Red Hat Ansible Automationファミリー」としてブランディングした。

Red Hat Ansible Automationファミリーのポートフォリオ
Ansible Engine(製品版)とAnsible Project(コミュニティ版)の比較
Ansible Engineのネットワーク機器管理アドオン
Ansible Tower(製品版)とAWX(コミュニティ版)の比較

 価格体系は、管理先のノード数に応じた年間サブスクリプションとなる。29日に発表された日本での参考価格は、Red Hat Ansible TowerのStandard(100ノード)が130万円、Red Hat Ansible EngineのStandard(100ノード)が65万円、両者のセットのStandard(100ノード)が169万円。Red Hat Ansible Engine Networking Add-onの価格は別途問い合わせとなる。

 日本でのAnsible Towerビジネスの現状について、レッドハット株式会社の中村誠氏(プロダクト・ソリューション本部 ビジネスデベロップメント マネージャー)は「今年すでに約20社の顧客が採用し、現在おもにPoC(検証)のフェーズにある。業種は、通信、金融、電力、インターネット関連企業などだ」と紹介した。

 また中村氏は今回の発表の日本での意義について、既存Ansibleユーザーが安心して使えるようにAnsible Engineのサポートを訴求、組織横断な自動化のためにAnsible Towerを訴求、ネットワークの世界の自動化、サードパーティモジュールなどのさらなるコミュニティの活性化を挙げた。

Red Hat Ansible Automationファミリーの日本での参考価格
レッドハットのプロダクト・ソリューション本部 ビジネスデベロップメント マネージャー、中村誠氏

 Red Hat Ansible Automationファミリーについては、米Red Hatのジャスティン・ネマー(Justin Nemmers)氏(Ansible製品 ゼネラルマネージャー)が解説した。

 ネマー氏は多くの企業での「自動化」が部門ごとの縦割りの自動化になっていると指摘。これを解決するには、アプリケーション担当者やサーバー担当者、ネットワーク担当者などが共通して使えるシンプルなツールであることが重要であるとして、簡単な形式でプレイブック(指示)を書いて共有できるAnsibleのメリットを主張した。

米Red HatのAnsible製品 ゼネラルマネージャー、ジャスティン・ネマー氏
Ansibleのプレイブックは各部門の共通言語となる

 Ansible製品の事例も2件紹介された。まず、国際メガバンクのHSBCでは、7000台以上のサーバーで実稼働させているという。DevOpsを取り入れ、いくつものアプリケーションが頻繁にリリースされるようになると、各チームが同じような作業をしていることが問題になった。そこで、Ansible Towerを使ってインフラ管理作業の重複を排除して効率化したという。

 また、東南アジア7か国で使われている配車アプリ「Grab」では、サービスを頻繁にデプロイするときにヒューマンエラーが発生して、アップタイム(稼働率)が87%と低い問題に悩まされていた。これをAnsibleとAnsible Towerで自動化することで、ヒューマンエラーを排除し、一環した迅速なデプロイが可能になったという。

国際メガバンクのHSBCの事例
配車アプリGrabの事例