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AIが新たな特異点を生む――、マイクロソフトの開発者向けイベント「de:code 2017」レポート

HoloLens開発者も来日

HoloLens開発者が語るMR(Mixed Reality)の未来

 基調講演の中で最も注目を集めたのは、HoloLensの開発者として有名な米Microsoft Windowsデバイスグループ ニューデバイス部門 テクニカルフェローのアレックス・キップマン氏。「MRこそ、コンピューティングの未来」と述べる。今回キップマン氏は、日本でのHoloLensの盛り上がりに非常に関心を持ち、来日を決定したという。

 「この1年間でMRの開発者は急速に増え、世界中でさまざまなイノベーションが起こっている。その中でも私が最も感銘を受けたイノベーションは、この日本で生まれている。日本は世界で最も早くMRの市場が形成された場所であり、日本のクリエイターは非常にエキサイティングで、私たちは彼らにとても刺激をうけている」(キップマン氏)

米Microsoft Windowsデバイスグループ ニューデバイス部門 テクニカルフェローのアレックス・キップマン氏

 米国において2016年3月に発売され、日本でも2017年1月に発売されたHoloLensは、急速に開発者を増やした。確認されているだけでも2万2000名の開発者がおり、7万を超えるコンセプトが発表されている。世界中でミートアップイベントやハッカソンが開催されており、プロモーションビデオも紹介された。

Mixed Reality Developers Build Excitement Together

 また、日本においてはビジネスでの利用も進んでいる。日本では日本航空に次ぎ2番目のビジネス事例となった小柳建設の事例も、プロモーションビデオで紹介されたほか、キップマン氏が最も感銘を受けたイノベーションとして、3Dの人体構造によって外科手術のサポートを行う、HoloEyesの事例も紹介している。

小柳建設:Microsoft HoloLensによる建設業界新ビジョン

 「よく、今後成長するのはVRとARのどちらなのか、といった質問を受けることがある。開発者は、どちらかにかじを切らなければならない局面に立つこともあるだろう。しかし、MRにはVRやARといった区別は存在しない。リアルとバーチャルの両方を融合していくのがMRであり、MRこそがコンピューティングの未来だ」と熱く語るキップマン氏は、今後のMRの発展について、「2、3年後、MRによって遊び方、学び方、働き方のすべてが大きく変わっているだろう。より重要なのはコンテンツの発展だ」と述べた。

 なお、このイベントに合わせて日本マイクロソフトは、国内におけるMR開発を促進するため、gumi傘下のTokyo VR Startups、Seoul VR Startupsとの協業を発表した。