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「CentOS Linux」終了へ 開発者の動揺と救済の動き

Red Hatの言い分

 Red Hatの調整担当兼CentOSのボードメンバー、Brian Exelbierd氏は「CentOS StreamはRed Hatのニーズを満たす重要なものだ」とThe Registerのインタビューに答えている。

 その中で、コミュニティから噴き出した「有償のRHELに移行させる意図」については、あまり歯切れがよくなかった。「これがビジネスモデルだと言えれば簡単だった。もし無収入までビジネスモデルに含まれるのなら……」と述べ、問い合わせをしたユーザーの連絡先を営業担当に回すことはない、と説明した。

 The Registerは、Red Hatが提供する無償利用の上限が16台であることについて、「CentOS実装の多くは16台以上のはず。なぜ、単純に『サポート不要なら無償でRHELを運用環境で無制限に使っていい』としないのか?」と質問。Exelbierd氏は「RHELには価値がある。RHELをさまざまな方法で使える機会を作っているが、それらを十把ひとからげにはできない。サポートの定義から始まる議論だ」と答えている。

 一方、Red HatのLinuxエンジニアリング担当バイスプレジデント、Mike McGrath氏はData Center Knowledge(12月15日付)に対し、「CentOSはRed Hatに、それほどの有用性をもたらしていなかった」と打ち明けている。

 McGrath氏は、Red Hatが支援する開発版プロジェクト「Fedora」と比較しながら説明。Fedoraでは双方向のコミュニティの関与があるのに対し、CentOSは「常にユーザーコミュニティにとどまり」、貢献モデルが一方通行だったと述べている。

 「Red HatはCentOSのことが大好きだ。エンジニアは素晴らしいし、コミュニティもいい。ただ、単にユーザーベースというより、もっと健康的なコミュニティを作りたかった」とMcGrath氏。なお、Red Hatは「CentOS」の商標を有している。