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デル・テクノロジーズ、新たな非構造化データエンジンなど「Dell AI Data Platform」の機能強化を発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間11日、AIの活用に向けたデータの配置、処理、保護を目的とする「Dell AI Data Platform」の機能強化を発表した。

 デル・テクノロジーズでは、今回の機能強化により、データの取り込みと変換からエージェントによる推論、AIを活用したナレッジ検索に至るまで、AIワークロードのライフサイクル全体の向上を支援すると説明している。非構造化データの取り込み、変換、検索、コンピューティングのパフォーマンス向上により、AIの開発と導入が合理化され、膨大なデータセットが、生成AIのための信頼性の高い高品質なリアルタイムインテリジェンスに変換されるとしている。

 Dell AI Data Platformは、データの準備を自動化することで、AIの取り組みを実験段階から本番環境へ迅速に移行できるよう支援する。

 Dell AI Data Platformのアーキテクチャーの中核には、AIエージェントを高品質のエンタープライズデータにシームレスに接続するために役立つ専用のストレージとデータエンジンがある。Dell AI Data PlatformとNVIDIA AI Data Platformリファレンスデザインを連携させることで、ストレージエンジンとデータエンジンをNVIDIAアクセラレーテッドコンピューティング、ネットワーク、AIソフトウェアと統合して、生成AIシステムを強化する検証済みのGPUアクセラレーションソリューションを提供する。

 また、Dell AI Data Platformの機能を拡張した新たな非構造化データエンジンは、推論、分析、インテリジェント検索のための大規模な非構造化データセットに、リアルタイムかつ安全なアクセスを提供するように設計されている。
このエンジンは、Elasticとの新たなコラボレーションによって可能になり、AIアプリケーションを強化するための主要機能である高度なベクトル検索、セマンティック検索、ハイブリッドキーワード検索機能を提供する。さらに、組み込みのGPUアクセラレーションを活用して、画期的なパフォーマンスを実現する。

 非構造化データエンジンは、分散した構造化データへのクエリを実行するフェデレーテッドSQLエンジン、大規模なデータ変換を担う処理エンジン、AI対応の高速アクセスを実現するように設計されたストレージなど、他のツールと連携して多様な機能を提供する。

 デル・テクノロジーズでは、AIが日常業務においてますます重要になる中、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載した「Dell PowerEdge R7725」および「PowerEdge R770」は、ビジュアルコンピューティング、データ分析、仮想ワークステーションから、フィジカルAIやエージェント型推論に至るまで、幅広い企業向けワークロードを高速化するためのメインストリームのコンピューティング基盤を提供すると説明している。これらのサーバーは、エージェント型AI向けの最新のNVIDIA Nemotronモデルや、フィジカルAI向けのNVIDIA Cosmosワールドファウンデーションモデルなど、NVIDIA AI推論モデルの実行に最適だとしている。

 Dell PowerEdge R7725は、NVIDIA AI Data Platformリファレンスデザインを統合する初の2Uサーバープラットフォームとなる。NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載したこのサーバーを、Dell AI Data Platformとその新しい非構造化データエンジンと組み合わせることで、企業はハードウェアやソフトウェアプラットフォームを独自に設計・検証することなく、すぐに導入可能なターンキーソリューションを活用できる。この組み合わせにより、推論処理の高速化、より応答性の高いセマンティック検索、より大規模で複雑なAIワークロードのサポートが可能になるとしている。

 Dell AI Data Platformの非構造化データエンジンと、NVIDIA RTX PRO 6000 GPUを搭載した「PowerEdge R7725」「PowerEdge R770」サーバーは、いずれも2025年下半期に提供開始予定。