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GM傘下のベンチャーに出資 自動運転にクラウドを広げるMicrosoft

 Microsoftが自動運転車ベンチャーCruiseへの出資を発表した。同社の親会社であるGMとともに長期的戦略提携を結び、それぞれにAzureサービスを提供してゆく。電気自動車と自動運転車は次の巨大市場であり、クラウド業界にとっても重要だ。Microsoftの戦略は――。

GMの優先クラウド事業者に

 1月19日の発表は、Cruiseの資金調達ラウンドにMicrosoftが参加するというものだ。Cruiseは既存株主のGMやホンダなどと合計で20億ドルを調達。Cruiseの評価額は300億ドルとなる。Microsoft単体の出資額は公表されていない。

 Cruiseは、Azureをクラウドとエッジのコンピューティング・プラットフォームとして採用する。GMもAzureを優先パブリッククラウドとして採用し、AIやコラボレーションなどデジタル化を推進し、サプライチェーンの合理化などに取り組むとしている。

 Cruiseは自動運転技術を開発するベンチャーで、2016年にGMに買収された。目下進めているプロジェクト「Origin」は、“ロボタクシー”と呼ぶ完全自動運転の無人電気自動車を使ったライドシェアリングサービスだ。

 ホンダも設計などで協力したという車はボックスカーの形態だが、ハンドルやペダルはなく、ゆったりとした社内スペースに三人掛けの向かい合わせシートが置かれる。

 自動運転は、複数の車載センサーが絶えず交通信号、歩行者の動き、車間距離などの情報を収集し、安全な運転と適切な運行を判断する。収集したデータは、エッジで処理と遠隔のクラウド処理があるが、いずれにしてもネットワークとクラウドコンピューティングが必須だ。

 「デジタル技術の進歩は、われわれの仕事と生活を再定義している」「Azureの力で拡張を支援し、自動運輸を主流にしてゆく」。MicrosoftのSatya Nadella CEOは発表で、このようにコメントしている。