Infostand海外ITトピックス

トップになったクラウドのJassy氏 AmazonのBezos氏退任

 AmazonのJeff Bezos氏が突然、CEO職の退任を表明した。一挙手一投足が注目されたカリスマ経営者の後任はクラウドのトップであるAndy Jassy氏だ。Microsoft、IBMに続き、クラウド事業の責任者が全社トップに上り詰めるという構図となった。

クラウド絶好調下のCEO交代

 Bezos氏は、2月2日付の従業員宛てメールで今年第3四半期(9月30日締め)にCEO職を退任することを公表した。「AmazonのCEOは深い責任を伴い、疲れることだ。そのような責任ある任務があると、ほかのことに注意を向けるのは難しい」と説明する。

 退任後は会長として重要な決定にはかかわるが、主軸は自身の活動に移すようだ。地球環境保全基金の「Bezos Earth Fund」、慈善基金の「Day 1 Fund」、航空宇宙のBlue Origin、個人で所有するWashington Postを挙げている。

 Amazonはオンラインでの書籍販売から始めて事業を拡大し、あらゆる小売業界を“破壊”する存在となった。多角化した事業の中には失敗もあったが、クラウドは最も成功した事業の1つだ。

 Amazonの直近の四半期(2020年10-12月)売上高は四半期として初の1000億ドル超となった。このうちクラウドの売上高は前年同期比28%増の127億ドル、営業利益は36億ドルとなった。全体に占める比率は、売上高で10%程度だが、営業利益では半分を占める。

 Jassy氏のCEO就任について、投資リサーチ会社D.A. Davidson & Co.のアナリスト、Rishi Jaluria氏はWall Street Journalにこうコメントしている。「経済にとってクラウドが重要になっていることを裏付けるもの」「Jassy氏をトップにすることで、AWSの中核にあるDNAをAmazon全体に広げたいのだろう」