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フォーティネット、クラウドサービス「FortiCloud」にID管理やセキュアストレージなどの新サービスを追加
2025年8月21日 13:08
米Fortinet(以下、フォーティネット)は現地時間6日、フォーティネット製品の管理機能などを提供するクラウドサービス「FortiCloud」について、強化と拡張を発表した。
フォーティネットでは、今回の機能拡張により、統合プラットフォームを提供するという同社の戦略がさらに前進し、組織のツール群統合やセキュリティ態勢の強化、総所有コストの削減に貢献するとしている。
FortiCloudには、「FortiIdentity」「FortiDrive」「FortiConnect」の3つの新しいセキュリティネイティブサービスを追加した。
FortiIdentityは、長期にわたり確立されたフォーティネットのID/アクセス管理(IAM)ソリューションとして、特に大企業における安全なID管理に不可欠な、多機能かつクラウドネイティブなアプローチを提供する。
FortiIdentityでは、セキュアシングルサインオン(SSO)、多要素認証(MFA)、FIDO2パスキー、さらにはフォーティネットとサードパーティのアプリケーション間のIDフェデレーションが可能で、追加のハードウェアやソフトウェアは必要ない。FortiToken Mobile、FIDO2パスキー、SAML/OIDC標準をサポートしているため、ID管理が簡素化され、大企業およびMSSPの要件に合わせて容易に規模を調整できる。FortiIdentityのモジュールとしてFortiPAM-as-a-Serviceを追加すると、IT環境への特権アクセスを保護するために必要な、継続的なゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)チェックを実行できる。
FortiDriveは、保存されたデータと移動中のデータを保護するセキュアファイルストレージおよびコラボレーションソリューション。高度な暗号化ときめ細かいアクセス制御が可能なため、組織はコンテンツを安全に保存して管理できる。リアルタイムのコラボレーション機能により、ユーザーはファイルやフォルダーを同僚や取引先と共同で編集・共有できる。また、搭載されたバージョン履歴で変更を正確に追跡し、必要に応じて簡単にロールバックできる。サイト管理機能では、コンテンツをチームまたはプロジェクト別に整理できるほか、ロールベースのアクセス制御と最小権限の原則に基づく、ポリシーベースのコンプライアンスも適用できる。
FortiConnectは統合型の通信プラットフォームで、FortiDriveとシームレスに連携してどこからでも安全に通話、メッセージ送信、会議、ファイル共有を行える。FortiGuard LabsのAI活用脅威インテリジェンスに基づいた直感的なコラボレーションエクスペリエンスを提供し、日々進化するサイバー脅威から通信を確実に保護する。
これら3つのサービスはすべて、フォーティネットセキュリティファブリックとネイティブに統合され、ユーザー、デバイス、アプリケーション、データ、およびAIエージェントの全域にわたる一元的な可視化、一貫したポリシーの適用、リアルタイムの脅威保護を実現する。
フォーティネットでは、今回発表したサービスは、アトランタ、シカゴ、ニューヨーク、プレイノ(米国テキサス州)、フランクフルト、シドニー、トリハ(スペイン)にある自社所有のデータセンターを含む、フォーティネットの世界的なハイブリッドクラウドインフラへの継続的な投資による成果を活用するものだと説明している。
これらのデータセンターは、コンピューティング、ストレージ、リカバリー、およびセキュリティ機能を組み合わせて低遅延のサービスを提供し、各地域の需要に応えるよう戦略的に設計されており、世界各地に配置されたインフラを通じて、組織がローカルでデータを保存できるようにすることで、ますます厳格化が求められるデータ主権の要件にも対応するとしている。
さらにこれらの投資に加え、Google Cloud、AWS、Digital Realtyなどのサービスプロバイダーを通じて提供される160を超えるPOP(Points of Presence)を活用し、安全かつ高パフォーマンスなエッジサービスを提供していると説明。また、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドマーケットプレイスで利用できる幅広いサービスも提供されているため、組織は活動拠点の所在地に関わらず、サービスの耐障害性を強化して、地理的な自由度を高めつつ、フォーティネットのクラウド配信型セキュリティにシームレスにアクセスできるようになるとしている。