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Googleがノーコード開発ベンチャー買収 企業アプリ開発の裾野拡大狙う

ローコード/ノーコード開発分野で先行するMicrosoft

 ComputerWeeklyは、ローコードあるいはノーコードの開発が近年、再び注目を集めていると指摘する。

 これらは第4世代言語(4GL)と呼ばれる。Cobol、Java、C++などの第3世代言語(3GL)のあと、1980、90年代にビジネスパーソンがRAD(Rapid Application Development)ツールを使いこなそうとする中、登場した。当初の成功のあと低迷していたが、生産性の追求と、ビジネスユーザー自らがプログラムを生成したいというニーズから、また脚光を浴びているという。

 もちろん、この分野に目をつけているのはGoogleだけではない。Pund-ITのKing氏は「Googleのライバルは既にローコードに向かっている」と述べている。その1社が、Microsoftだ。

 Microsoftは2016年に「PowerApps」として、ローコードでアプリケーション開発ができるツールを正式に公開している。またAmazonも昨年初め、「AWS For Everyone」としてノーコード/ローコード開発ツールを開発中、とGeekWireが報じている。

 ノーコード/ローコード開発プラットフォームのベンダーの構図はどうだろう。

 Forresterは2019年第2四半期の市場レポートで、AppSheetを最上位の「リーダー」に分類。「モバイルアプリ以上の位置にある」と高い評価を付けている。「ビジネスユーザーを支援する最も積極的な戦略とロードマップがある」と評し、顧客満足度の高さにも言及。一方で、汎用開発プラットフォームとしては相対的に弱いとも指摘している。

 レポートでは12のプロバイダーを取り上げ、Capsio、QuickBase、Apple傘下のFileMakerの4社をリーダーに、続いてBetty Blocks、TrackVia、Kissflow、そして日本発のKintoneなどを「強力なパフォーマー」に挙げている。「ビジネスピープルによって作られるソフトウェアが、数十年の日陰の中から、明るい場に出てきた」(Forrester)という現状認識だ。

 開発者の裾野を広げることは、企業向けベンダー共通の課題だ。例えばSalesforce.comは数年前から、教育やトレーニングのブランド「Trailhead」を立ち上げ、システム管理者やユーザー向けにさまざまなコースを提供している。

 ベンダーは、ビジネスユーザーが自分でアイデアややりたいことをアプリにできる世界を描いており、これに確実に近づいている。