Infostand海外ITトピックス

Googleがノーコード開発ベンチャー買収 企業アプリ開発の裾野拡大狙う

 Google Cloudが、年始早々に“ノーコードでアプリ開発”をうたうスタートアップAppSheetの買収を発表した。「ノーコード」「ローコード」は、RPA(Robotic Process Automation)の隆盛の中、高度なスキルを持った開発者でなくとも業務の自動化ができるようになるキーワードだ。「開発を民主化する」というGoogleの狙い通りとなるか――。

「アプリ開発を民主化する」

 AppSheetは、ノーコードのアプリ開発プラットフォームを提供するベンチャーで創業は2012年。アプリ開発の“民主化”をミッションとして掲げ、「コードを書くことなくアプリケーションを構築して配布できる人を増やしたい」とうたっている。

 同社のサービスでは、データを準備してAppSheetプラットフォームに接続し、アプリのデータの使い方や表示の仕方を定義する。さらにアクション、ワークフロー、レポート機能を追加して、セキュリティ設定をしてテストし、実装する。これらをコーディングなしでできるのが特徴だ。

 アクションとしては、画像取得、位置情報のログ、通知、バーコードスキャン、メール送信、オフラインなどの機能が用意されている。アプリの例としては、スプレッドシートのデータから在庫・人員管理をするものなどが作成できるという。

 AppSheetのサービスは、モバイル(スマートフォン、タブレット)とWeb(デスクトップ/モバイルのブラウザ)の両方のアプリケーションを作成でき、Google Drive、Dropboxなど各種クラウドサービスに対応する。データソースは、「Google Sheets」「Microsoft Excel」「SmartSheet」「Microsoft SQL Server」などをサポートしている。

 General Electric、Costco、Pepsiなど多数の顧客を持ち、CRM、現場(フィールド)での検査、パーソナライズされたレポートなどのアプリケーションが開発されているという。これまで6回の投資ラウンドで総額1850万ドルを調達している。

 Googleの買収後、約20人のAppSheetチームはGoogle Cloudに加わる。「G Suite」「Google Cloud」との統合を密にする一方で、Office 365など他のクラウド型データサービスや、他のクラウドでホスティングされているデータベースとの統合も継続してサポートするとしている。買収額などの詳細は公表されていない。