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Googleがノーコード開発ベンチャー買収 企業アプリ開発の裾野拡大狙う

開発人材不足の解決策となるか?

 Googleの狙いは何か? AppSheet買収を発表したブログで、Google Cloudビジネスアプリケーションプラットフォーム担当バイスプレジデントAmit Zavery氏は「企業の競争環境において、アプリケーションを高速、効率よく構築することが求められている」と背景を説明する。

 優秀な開発者はどこでも奪い合いだ。GoogleはAppSheetの獲得で、プロレベルのコードスキルなしにアプリケーションの構築や拡張をより簡単に行えるようになる、と期待する。

 Zavery氏はさらに、企業がビジネスプロセスをクラウドでモダン化する動きが見られる中、「Google Cloudはノーコード開発、ワークフロー自動化、アプリケーション統合、API管理などで、企業のイノベーションを支援する」と続けている。

 Google Cloudのアプリ開発という点では、既に「App Maker」がある。G SuiteのEnterprise Editionなど一部エディションで利用でき、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でアプリケーションが開発できるローコード開発環境だ。GoogleがApp Makerの提供を開始したのは2018年半ば。AppSheetはこれを補完するとみられる。

 Pund-ITのアナリスト、Charles King氏は「Google Cloudが今後、ローコード開発戦略を進めるに当たっての基盤になるだろう」とSilicon Angleに語り、Googleの既存資産とともに利用できることを高く評価している。

 またConstellation Researchのアナリスト、Holger Mueller氏は、開発者不足の問題に触れながら、「GoogleがApigeeで持つAPIでのリードとAppSheetとが組み合わされることは、興味深い補完関係になる」と予想する。