特集

NECが「NEC印西データセンター」を公開、最新のデータセンター事業戦略を説明

 日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、千葉県印西市のNEC印西データセンターの様子を公開した。

 NEC印西データセンターは、2022年4月に、SCSKの印西キャンパス内に開設した同社の最新データセンターで、クラウド事業者や通信事業者、サービスプロバイダーとの低遅延で、セキュアな接続ができるデータセンターサービスを提供している。

 本稿では、NEC印西データセンターで推進する「クラウドHubデータセンター」の取り組みをはじめとする同社のデータセンター戦略にフォーカスするとともに、NEC印西データセンターの様子をレポートする。

NEC印西データセンター

3種類のデータセンターを整備するNEC

 まず、NECのデータセンター事業全体の構成を見てみよう。

 NECでは、全国12拠点でデータセンターを展開。顧客ニーズに応じて、「コアDC(データセンター)」、「地域DC」、「クラウドHubデータセンター」という3種類のデータセンターを整備している。

3種類のNECデータセンター

 コアDCは、東西の中心となる大規模なデータセンターであり、NEC神奈川データセンターと、NEC神戸データセンターで構成される。どちらもNECの施設内に置かれ、独自に運営しているデータセンターだ。

 神奈川データセンターの第一期棟は約3000ラックの規模で運用しており、二期棟が約1500ラックの規模で2023年下期に開設される予定。またNEC神戸データセンターは、1棟あたり約1500ラックの規模で運用されており、2024年上期に、NEC神戸データセンター三期棟が開設される予定となっている。

 この2つのデータセンターで構成するコアDCは、リテール分野の企業を中心に展開しているほか、NEC Cloud IaaSを運用する拠点として位置づけられている。また、各種クラウドサービスとの接続も可能であり、ハイブリッドクラウド環境を構築でき、マルチクラウドの運用管理を行うマネージドサービスやマルチクラウド間のデータ連携サービスも提供している。さらに、クラウド事業者やECサイトのような大規模ユーザーにも、安心安全、低コストの環境を提供するという。

NEC神奈川データセンター
NEC神戸データセンター

 2つめの「地域DC」は、地方公共団体や地場企業向けのデータセンターと位置づけており、全国9拠点に展開している。特に、NEC名古屋データセンターは、都市型データセンターと位置づけ、名古屋駅から15分圏内に設置している。地域DCは、いずれも数百ラックの構成で、コアDCとのデータセンター間ネットワークを介して、地域DCからもクラウドへの閉域接続が可能だ。政府が打ち出す「デジタル田園都市国家構想」への対応も想定した地域密着型のデータセンターとなっている。

NEC名古屋データセンター

クラウド基盤とのハブ機能を提供する「クラウドHubデータセンター」

 そして、「クラウドHubデータセンター」は、今回紹介するNEC印西データセンターが担っている分野だ。クラウド基盤とのハブ機能を提供し、インターコネクテッドエコシステムの形成や、エコシステムパートナーとの接続をシームレスに実現する。

 2022年4月に稼働したNEC印西データセンターでは、2022年6月に「Microsoft Azure ExpressRoute」の接続拠点を開設。Azureとの低遅延で、セキュアなダイレクト接続を可能にする「NEC DXネットワークサービス」を提供している。また2023年5月からは、「AWS Direct Connect」の接続拠点として、AWSリージョンへの専用ネットワークを介した接続サービスを提供しており、AWSの200以上のクラウドサービスを活用したハイブリッドクラウド環境を実現できる。そして2023年7月には、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)Fast Connect」の接続拠点が設置され、OCIへの専用プライベートネットワークファイバー接続を実現した。

クラウドHubデータセンター

 NEC マネージドサービス部門 サービスプラットフォーム統括部 DC共通基盤グループ ディレクターの伊藤誠啓氏は、「これにより、NEC印西データセンターは、3つの主要なパブリッククラウドの接続拠点を備える国内唯一のデータセンターとなった。従来はクラウド接続拠点ロケーションへの迂回(うかい)通信が不可欠であったが、3つの接続拠点の構内ダイレクト接続によって、低遅延、高品質、低コストを実現し、より高度なクラウド活用を支援できる」とする。

 NECにとってビジネス規模が大きいAWS、Azure、OCIとの接続を順次実現しており、今後は、需要動向を見ながら、Google Cloudなどへの対応も検討していくことになりそうだ。

NEC マネージドサービス部門 サービスプラットフォーム統括部 DC共通基盤グループ ディレクターの伊藤誠啓氏
DC構内でのダイレクト接続により、競争力のあるサービスを提供可能

 さらに2023年6月には、マルチクラウド接続ストレージサービス「NEC Cloud Storage」の提供も開始している。NEC印西データセンターにデータを格納するサービスであり、マルチクラウド環境での活用を容易にし、業務要件に合わせた多様なデータ配置を実現。データレイクの構築やバックアップデータの保存などが可能になると同時に、クラウドストレージからデータを取り出す際のアウトバウンドの課金がないため、TCO削減やデータのサイロ化、クラウドサービスへのロックインの懸念を回避できる。

NEC Cloud Storage

 一方、NEC印西データセンターでは、クラウドHubデータセンターとしての特長を生かし、企業のスピード成長を支える仕組みとなる「インターコネクテッドエコシステム」を提案している点が見逃せない。

 NEC印西データセンター内での相互接続サービスであるNEC DXネットワークサービスを通じてNEC Cloud Stackやハウジングサービスとも接続し、NECの顧客が所有するシステムと、NECが提供する各種サービスを提供しているほか、SCSK印西キャンパスにおいてSCSKが提供するサービスや、IX事業者やサービスプロバイダー、通信事業者といったエコシステムパートナーが提供する各種サービスとも、インターコネクテッドエコシステムによってデータセンター構内で接続し、多様なサービスを提供しているため、より高速に顧客のサービス構築などを支援できるという。今後も両社が共同で、エコシステムパートナーをSCSK印西キャンパスに誘致することで、データセンターから提供するサービスを拡張させる考えだ。

スピード成長を支えるインターコネクテッドエコシステム

 加えて、NEC印西データセンターでは、新たな取り組みを開始することになる。それは、2023年7月に、NECが発表した独自の日本語大規模言語モデル(LLM)のサービス提供だ。このLLMは130億パラメーターという軽量化を実現するとともに、世界トップクラスの日本語性能を実現しているのが特徴だ。

 NEC印西データセンターを通じて、NECが開発したLLMと、NECがこれまでに蓄積した業種ナレッジを組み合わせて提供。日本の企業向けに専門性の高い生成AIを利用できる環境構築を提案する考えだ。ここでは、NEC印西データセンター内のNEC Generative AI Appliance Serverを活用したクローズドな環境での利用提案のほか、構内直接接続によって、Microsoft Azureと接続した利用の提案。さらには、Microsoft Azure OpenAI Serviceを活用したサービスも利用できるようにする。これにより、NEC印西データセンターは、生成AIの活用においても、最先端の拠点となるといえよう。

NEC独自のLLMも印西データセンターからサービスを提供する

クラウドHubデータセンターの3つのユースケース

 クラウドHubデータセンターでは、3つのユースケースを提案している。

 ひとつめは、業務システムのマルチクラウドおよびハイブリッドクラウドへの対応拡充である。例えば、データベースはOCIを活用し、アプリケーションはAWSやAzureを利用している場合に、NEC印西データセンターのなかでクラウド間接続を行い、シームレスな利用が可能になるという使い方だ。

 2つめは、マルチクラウドおよびマルチデータソースを対象とするデータ活用基盤の実現である。データ活用基盤に異なるデータを統合し、データの収集、蓄積、加工、活用を、マルチクラウド環境において実現することができる。
そして3つめが、ランサムウェアをはじめとするデータ喪失を伴うセキュリティリスクへの対策を可能にするという用途だ。NEC Cloud Storageにより、バックアップデータなどの大量データを安全に保管することで、ランサムウェアの被害にあった場合にも、データを復旧することができる。

 NEC マネージドサービス部門サービスプラットフォーム統括部 上席プロフェッショナルの仲川賢次氏は、「NEC印西データセンターの基盤を活用して、さまざまなサービスを提供することが、クラウドHubデータセンターの特徴になる。SCSKが提供する金融サービスや、NECが持つ顔認証サービスなどとの組み合わせなども可能になるほか、インターコネクテッドエコシステムによって、さまざまな事業者をクラウドHubデータセンターに誘致し、それにより、価値を持った幅広いサービスを提供することで事業を拡大していきたい」とする。

 なお、NECでは、西日本エリアへのクラウドHubデータセンターの設置を企画中であり、パートナーとの話し合いを進めていることも公表している。だが、時期や規模、場所については明らかにしていない。

クラウドHubデータセンターの活用ユースケース
NEC マネージドサービス部門 サービスプラットフォーム統括部 上席プロフェッショナルの仲川賢次氏

クラウド事業者などとのコネクティビティを強化し事業拡大を図る

 NECのデータセンター事業の基本戦略についても説明した。

 NECの伊藤氏は、「データセンターのニーズは高付加価値へと変化しており、コロケーションやBCP、アウトソーシング、プライベートクラウドといった利用に加えて、昨今ではメガクラウドの台頭、クラウドネイティブの高まりなどを背景に、高度で質の高いデータセンターを、ビジネスの適材適所で利用するハイブリッドクラウド、マルチクラウドが注目を集めている。コネクティビティや高いセキュリティ、省エネおよびグリーン化がデーセンターに求められる常用な要件になっている。特に、クラウド接続性に対する顧客ニーズが高まっている」と前置き。

 「NECが分類されるSIer系データセンター事業者は、ハイパースケーラー向けデータセンター専業事業者やコネクティビティを重視したデータセンター専業事業者、キャリア系データセンターと比較すると、事業規模が大きいものの、成長率が低い。そこで、NECでは、クラウド事業者などとのコネクティビティを強化することにより、成長率を高め、事業を拡大することを目指している」とする。

 その役割を担うクラウドHubデータセンターでは、メガクラウド事業者との接続性を重視したデータセンターとして展開していくことになる。またコアDCでは、閉域でのクラウド接続サービスの接続拠点としての整備を進め、クラウド接続要件を含む中規模から大規模案件の獲得を推進。地域DCでは、デジタル田園都市国家構想への対応に加えて、データセンター間ネットワークを介して、コアDCからクラウドへと閉域で接続するサービスを強化し、地域ユーザーに提供していくという。

 これにより、従来のSIer系データセンターの役割にとどまらず、接続性を強化して、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドに適した機能を提供することを目指すのが、NECのデータセンター事業の基本戦略となる。

事業観点から見たコネクティビティ強化の狙い

SCSK印西キャンパス内に開設された印西データセンター

 NEC印西データセンターは、SCSK印西キャンパスのなかにある。

 同キャンパスには、現在、3棟のデータセンターがあり、NEC印西データセンターは、「SI3」と呼ばれる三期棟を中心に、一期棟の一部を使用して構成している。なお、今後の需要増加にあわせて、四期棟を建設するための用地は確保してあるという。

 三期棟の所有や設備、運営を行っているのは、SCSKとNECの合弁会社であるSCSK NECデータセンターマネジメント(SNDCM)。その上で、サーバー室のラック内の運用は、SCSKおよびNECがそれぞれ担当することになる。ちなみに、一期棟および二期棟はSCSKの所有、運営となっている。

 NECの仲川氏は、「NECは、印西エリアに土地や建物を所有していなかった背景があり、このエリアに、自らデータセンターを建設するには5年以上の歳月が必要になり、ビジネスチャンスを失うことになると判断。長年に渡って協力関係があったSCSKとの協業が最適だと考え、合弁会社を設立した。NECが持つ神奈川や神戸でのデータセンターの運用ノウハウも活用し、お互いにいいところを持ち寄りながら運用しており、相乗効果が生まれている。クラウドHubデータセンターを運用するという点では、クラウド事業者が集中する印西エリアにデータセンターを持つことは有効である」とした。

 NEC印西データセンターのサーバー室は、1フロアあたり485平方メートルの部屋を2つ用意。それぞれに204ラックずつの設置が可能だ。三期棟では、4フロアにサーバー室が合計8部屋用意されており、約1600ラックが設置できるようになっている。NEC印西データセンターとしては、600ラックを設置しており、200ラックの増設余地があるという。

サーバー室の様子

 サーバー室ごとに異なるUPSを配置。サーバー室単位でUPSの冗長性の変更が可能だ。ラックあたりの標準電力容量は、実効6kVAとなっており、部屋単位で実効8kVAに拡張ができるようになっている。また、アイルコンテイメント方式によるラック冷却システムを採用しており、「ラックから放出する熱い風を漏れないように天井から空調機に戻し、下から冷たい風を供給できるようにしている」という。

 サーバー室のフリーアクセスフロアの高さを1メートルにしている点も特徴だ。「一般的なデータセンターでは、床の高さは50センチメートル程度が多いが、熱だまりを防いだり、熱負荷が高いものをしっかり冷やしたりするために1メートルとした。その代わり、天井は3.2メートルの高さとなり、天井から設置されているキャッピングガラス板を含めると2.5メートルの高さとなる。だが、これ以上の高さのラックはほとんどないため、ラックの導入面での課題は少なく、むしろ、天井部分の空調を制御しやすい」と説明した。

 データセンター内のセキュリティ対策については、敷地からサーバー室まで、7段階のセキュリティレベルを設定し、それにあわせてさまざまなセキュリティ対策を行っている。

 敷地内に入るには、カメラやセンサーを組み合わせた有人監視を行い、すべての来客者は、インターホンによる入場管理を行っている。また、建物内に入るには金属探知機やX線探知機を導入。今回の取材の際にも持ち込む機器は、すべて事前申請を行い、申請していないものは受付横のロッカーに収納。棟内に持ち込むものは、専用の透明ビニールバッグに入れて運ぶことになる。

 通路の移動や棟に入るときにもICカードとフラッパーゲートにより管理。カメラによる監視も行っている。また、エレベーターはICカードをかざして利用でき、利用する階にしか停止しないように制御している。サーバー室の入室もICカードで管理するとともに、生体認証を採用。共連れ防止の制御も行っている。さらに、ラックやゲージへのアクセスはリモート制御を行っている。

 なお、中央監視室は1棟から3棟までにそれぞれ用意しているが、現在は1カ所から全体をカバーし、常時6人体制で監視。残る2つの監視室は、コロナ感染症の発生時などにバックアップ用途での利用ができるようにしているという。

NEC印西データセンターにおける7段階のセキュリティ

 印西エリアは、GoogleやColt、エクイニクス、AWSなどのデータセンターが集積する通称「データセンター銀座」と呼ばれているが、その背景には安全な地盤と、東京電力による安定した電力供給体制があると言われる。

 「NEC印西データセンターは、地震による揺れが少ない強固な洪積台地であり、活断層から遠距離であること、海からは20キロメートル、利根川からも5キロメートル離れている。海抜は22.5メートルであり津波や洪水のリスクが少ない。また、印西市の施策により、ライフラインは耐震性を持った共同溝を通じて引き込んでいるため、断線のリスクが少ない」とする。

 共同溝には、電気、通信、CATVケーブル、上水道、地域冷暖房設備が含まれており、地上での工事がないため、事故防止につながること、自然災害にも強く、メンテナンスも容易であり、印西市による共同溝への入室制限などが行えるという点で安全性のメリットもある。

ライフラインは耐震性を持った共同溝を通じて引き込んでいる

 データセンターの地震対策としては、耐震強度や免振特級クラスの免振ビル構造としており、垂直制振ダンパーによる縦揺れ対策と、積層ゴム一体型免振U字ダンパーや弾性すべり支承、天然ゴム系積層ゴム、オイルダンパーによる横揺れ対策によって、地震の揺れを最大80%減少している。

積層ゴム一体型免振U型ダンパー
弾性すべり支承
天然ゴム系積層ゴム
オイルダンパー

 電源設備については、本線・予備線方式による2系統で受電。1階の特高電気室では、東京電力から供給された66kVAの電気を、6.6kVAにステップダウンして、各サーバー室の設備に供給。変圧設備は防火壁で区分けされた個室ごとに収容する構造にしたことで、火災などが発生しても、もうひとつの設備には影響しないようにしている。ちなみに、火災設備については、N2ガス消火設備を導入するとともに、超高感度煙検知器を導入。「超高感度煙検知器は、通常の煙検知器の1万倍の感知能力を持つ。はんだごての作業だけでも検知する水準」だという。

 また、N+1構成でディーゼル発電機を導入。無給油で72時間の電力供給が可能になっているほか、ブロックリダンダント方式のUPSを採用。常用している各フロアに4台のUPSのうち1台をバックアップとして利用するだけでなく、1階に共通予備UPSを設置し、UPSの故障時やメンテナンス時は、共通予備UPSからも給電できる冗長性を確保している。UPSでは、10分間の蓄電機能を有しているという。ブロックリダンダント方式は、NECのデータセンターが採用している特徴的な方式であることも強調した。

 通信設備に関しては、特定の通信事業者に依存しないマルチキャリア利用が可能であり、通信引き込み経路も、各サーバー室に2カ所から引き込むことで冗長化を実現し、接続性を確保している。SCSK印西キャンパスには、アルテリアネットワークス、NTTコミュニケーションズ、TOKAIコミュニケーションズ、Coltテクノロジーサービス、NTT東日本、KDDI、ソフトバンクのネットワークが引き込み済みだという。

 熱源設備については、環境にも配慮している点が特徴だ。一般的な水冷方式のターボ冷凍機に比べて効率が高い空冷フリークーリングチラーを採用しており、放熱に水を利用しないために節水に貢献。外気温が20℃以下になると、特に高いエネルギー効率を発揮するように設計している。これは、印西エリアの気温が、年間70%以上が20℃以下であることに対応したものだ。

 「屋上に設置した空冷フリークーリングチラーにより、空冷した冷水を空調機に送り、サーバー室から集めた熱い風と熱交換することで、サーバー室に冷たい空気を送る仕組みになっている。空冷フリークーリングチラーは、現在、3台が稼働しており、1台をバックアップ用として利用している。停電の際には、非常用発電機が稼働するまでに1分強かかるが、バックアップ用のタンクに4.5分間の冷水をためているため、電気が止まっても、冷たい風を送り続けることができる」という。また、LED照明の採用や、外壁の断熱により、データセンター全体の電力量も削減している。

 1階には、サーバーなどの装置を運び込むための搬入ヤードを用意。幅が6.3メートル、奥行き12メートル、シャッターの高さは3.5メートルとなっており、4トントラックで入庫できる。また、搬入口のシャッターが閉まらないと、棟内に向けたドアが開かない状況になっており、セキュリティにも配慮している。またエレベーターは、外資系メーカーのサーバーでは、ラックにキッティングされた状態で搬入されることが多いため、その重量に耐えうる仕様にしているという。神奈川や神戸のデータセンターでは、NEC製のサーバーが導入されているが、SCSK印西キャンパスでは外資系企業のサーバーも導入されているため、こうした設計になっている。

 NECのデータセンターのノウハウと、SCSKのデータセンターの取り組みの成果が融合したデータセンターとして設計、運用されているNEC印西データセンターは、それらのノウハウと最新インフラを活用しながら、さらにサービスが拡張していくことになる。

NEC印西データセンターの建物断面図