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NECとオラクル、NEC印西データセンターに「Oracle Cloud Infrastructure」への接続拠点を開設

 日本電気株式会社(以下、NEC)と日本オラクル株式会社は5日、2021年のクラウド領域での協業強化に基づき、NEC印西データセンターにOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)への専用プライベートネットワークファイバー接続を実現する、「Oracle Cloud Infrastructure Fast Connect」の接続拠点を設置し、7月1日に開設したと発表した。

 NECでは、昨今の国内クラウドサービス市場は、企業や政府・自治体のDX加速によりパブリッククラウドの利用が増加し、中でも、ビジネスの要件に応じて、複数のパブリッククラウドの長所を最適に組み合わせたシステム構築を希望する顧客が増えており、より高度なクラウド活用が求められていると説明。今回のOCIの接続拠点開設により、NEC印西データセンターは3つの主要なパブリッククラウドの接続拠点を備える国内唯一のデータセンターとなり、顧客のより高度なクラウド活用を支援するとしている。

NEC印西データセンターと各クラウドの接続イメージ

 NEC印西データセンターでは、OCIを用いた高度なクラウド活用として、業務システムのマルチクラウド・ハイブリッドクラウドへの対応拡充や、マルチクラウド・マルチデータソースを対象とするデータ活用基盤の実現、ランサムウェアをはじめとするデータ喪失を伴うセキュリティリスクへの対策が可能になると説明。NECとオラクルは、NEC印西データセンターとOCIによる専用の広帯域幅接続を通して、顧客のデータ活用、DX加速を支援するとしている。

 業務システムのマルチクラウド・ハイブリッドクラウドへの対応拡充では、各クラウド上のアプリケーションやパッケージソフトウェアと、OCIのデータベース・サービスを連動可能なため、オンプレミス環境で実現していたOracle Databaseの性能や可用性などの利点を提供できる。また、全国のNECのデータセンターを利用する顧客は、NECのDC間ネットワークを通じて、OCIに対してセキュアでクローズな接続が可能になる。中でも、NEC印西データセンターを利用する顧客は、低レイテンシーでセキュアなマルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境が構築できる。

 マルチクラウド・マルチデータソースを対象とするデータ活用基盤の実現では、Oracle Databaseを使った基幹系システムに格納されたビジネス情報を、DXやデータドリブン経営に活用するために、NEC印西データセンターの接続拠点を活用可できる。マルチクラウド・マルチソースのデータを、インターネットを通過させることなく安全にデータ活用基盤と連携し、広帯域かつ低レイテンシーなアクセスにより、顧客のビジネスに必要なデータを確実かつタイムリーに活用できる。

 ランサムウェアをはじめとするデータ喪失を伴うセキュリティリスクへの対策では、パブリッククラウドとは異なる場所へのバックアップを希望する顧客が増えていると説明。NECは、マルチクラウド環境下で利便性の高いデータ保全環境を提供可能なサービス「NEC Cloud Storage(St)」を6月から提供しており、接続サービスとの連携により、バックアップデータなどの大量データを安全に保管できるとしている。