16の最新技術を公開
一方、今回の研究開発戦略説明会では、先に触れた「ChainedLineage」および「Dataffinic Computing」を含めて、富士通研究所が取り組んでいる、16の新たな技術を公開した。
これらの技術を紹介する。
業種業界を超えたデータ流通の信頼性を向上する技術となる「ChainedLineage(チェーンドリネージュ)」 運転履歴データをもとに、個人ごとにカスタマイズした自動車保険を提供するデモを行った 個人ユーザーは、自動車メーカーが持つデータを保険のために使用することに同意する 保険会社は本人同意済みのデータだけを一括で収集できる 分散ストレージでの高速処理を実現する大量データ処理基盤「Dataffinic Computing」 非構造化データを含む大量データの高速処理を可能とする Dataffinic Computing搭載ストレージ デジタルアニーラ適用を拡大する問題分割技術。中分子医薬の候補絞り込み時間を従来の半年から数日にまで短縮できる 「デジタルアニーラ」専用プロセッサ「Digital Annealing Unit(DAU)」 航海データを収集し、最も燃費が良いルートをAIで抽出。7%の燃費削減ができるという 高精度の判断と透明性を両立するWide Learning技術 ナレッジチャンクと呼ぶシンプルなモデルを列挙し、機械学習が不得意とする業務支援などの用途に活用する つながるクルマのデータをすぐに活用できる新サービスを素早く提供する技術 4時間以上連続で走行している配送車を検知。近くにいるクルマも検知して、配送作業を分散するといった活用を想定 世界初となる、従来の限界を超えて容量を飛躍的に拡大する新しいデータセンター間光ネットワーク 既存の光ファイバーはそのまま活用し、最大10倍の超広帯域光多重通信による大容量通信を実現する 「買いたい」を見逃さず、心理推定技術により接客業務を支援する技術「Nine-Sensecomputing」 スマホの傾きなどでサイトの関心度を推定。タイミングよくクーポンを配信する 緑の線は関心度が高いときを示し、青い部分が多いと関心度が下がっていることを示す 感性デジタルマーケティングを実現。ヒマラヤのECサイトで実証実験を行っている 開発が変わる、つながる世界に欠かせないWeb API品質評価・対処技術 習得容易性、可用性、安定性の3点から定量評価を行う 業務影響が少ない時間帯を予測し、メンテナンスによる業務遅延をなくすことができる 基幹システムのクラウド移行を想定しているユーザーがターゲットになる サイバー攻撃の脅威からコネクテッドカーを守る技術~導入を容易にした高精度・リアルタイム攻撃検知 コネクテッドカーが攻撃された際にそれを検知する仕組みだ 攻撃を検知すると、安全装置を作動させてクルマを停止させる EU GDPRの個人データのリスク評価による共創加速を支援する技術 GDPRにおけるプライバシーリスク評価作業を80%削減。情報漏えい時の損害賠償額なども表示する 大気汚染の発生と移動をリアルタイムで可視化する大気モニタリング技術 PM2.5の濃度を測定し、それをリアルタイムで表示する 従来機器では1時間に一度の測定しかできないが、AIを活用した真値推定技術でリアルタイムに測定 より小型化したPM2.5専用センサー。高密度に配置すれば、PM2.5の飛来予測や発生源を突き止めることもできる 火山灰の測定を可能にした機器。通常はLTEで通信しており、噴火時に詳細な情報が必要なときには5Gに切り替えて情報を配信する 光ファイバー温度センシングによるプラント設備の異常予兆監視サービス 光ファイバーを巻き付けることで、温度分布を測定する。1本の光ファイバーで数万点の温度測定が可能 実証実験では火力発電所のボイラーの温度管理を行っており、施設の一部では実用化されている 会話音声のAI活用を実現する音声UI/自然文解析技術 そのなかから記録に必要な会話内容を自動的に抽出する。看護師の看護記録の自動化を実現。工数は半分に減るとみている 音声を取得する小型デバイス。胸につけておくことができる小型軽量化を実現