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パナソニックIS、パナソニックグループの社内システム向けDB基盤をOCIに移行

 日本オラクル株式会社は15日、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)が、パナソニックグループ各社で利用する社内システムのクラウドデータベース基盤としてOracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用したと発表した。

 パナソニックISでは、2011年ごろからデータベースマシン「Oracle Exadata」をオンプレミス環境に導入開始し、現在は17台のExadata上に、2000以上のデータベースをマルチテナントアーキテクチャで集約し、7万8000以上のアプリケーションスキーマを運用しているという。

 一方で同社は、パブリッククラウドを適材適所で最大限活用する「PXベストハイブリッドプラットフォーム」の構築に取り組んでおり、今回は、大規模な集約による高性能と可用性をパブリッククラウド上でも実現できることを評価して、OCI上で提供される「Oracle Exadata Database Service」を採用。データベース基盤を利用する各システムのうち、クラウド移行によって高いコスト低減が期待できるものを、優先的にOCIへ移行している。

 新たな基盤となるOracle Exadata Database Serviceは、Exadataの高い処理能力を発揮しながら、クラウド管理を自動化するマネージドサービスにより、構成や設定ミスの発生しやすい手動でのデータ管理タスクを軽減し、アプリケーションの安定性とセキュリティも向上可能になっているのが特徴。性能や可用性維持のためのハードウェアのメンテナンスなどの運用管理の負荷を軽減し、消費電力、データセンターの使用スペースを削減することでトータルコスト削減に寄与するとした。

 なおパナソニックISは、日本オラクルのコンサルティング部門の支援のもと、Oracle Exadata Database Serviceでの基盤の構築とシステム移行を2023年2月から進めているとことで、データベース基盤はOCI、アプリケーションは必要に応じてほかのクラウドとのマルチクラウド構成、システム要件によっては遠隔地でのレプリケーション構成を選択するなど、移行の構成をシステムごとに設定しながら検討を進めている。

 この一環として、移行対象システムの中でも最大クラスの利用者1万8000人、60以上の関連システムと連携し、30TBのデータを含む国内家電販売に関する情報を一元管理する販売統計分析システムの移行が2024年2月に完了した。このシステムはOCI移行により、従来構成と比較して年間7000万円のインフラコスト低減が見込まれているという。

 これまでには、同システムを含めて約30システムの移行が完了しており、いずれも安定した性能で稼働しているとのこと。そして、これらのシステム移行により、オンプレミス環境と比較して約50%のデータベースインフラコスト低減を実現した。

 パナソニックISでは、今回のグループ各社向けのExadata運用で培ったノウハウを生かし、Oracle Exadata Database Serviceへの移行を検討しているパナソニックグループ外の企業にもサービス提供を図る考えだ。