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ベネッセ、基幹システムをOracle Exadata Database Serviceに移行 CPUを削減しつつ性能を担保

Microsoft Azureとのマルチクラウド構成でサービスのレスポンス向上も実現

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは12日、株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)が、販売管理・新顧客基盤を含む基幹システムを「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上で提供されるデータベースサービス「Oracle Exadata Database Service」にて稼働開始したと発表した。

 教育、介護・保育分野でさまざまなサービスを展開するベネッセでは、コロナ禍における通信教育のニーズ拡大により会員数が急増したことや、DX推進のためのシステム基盤構築施策として、クラウド環境への移行を大きな要件としてシステム刷新を実施しており、先行して、Webフロント系システムをMicrosoft Azureで稼働させている。

 さらに今回、オンプレミスのOracle ExadataとOracle Exadata Cloud@Customerで構築していた従来の基幹システムについても、同様の方針のもとで移行先を検討した。そして、複数のクラウドサービスを検討した結果、初期コストが少ない点、短期間での移行が可能な点や、CPU数を大きく削減しても性能が担保できる点を評価し、Oracle Exadata Database Serviceへの移行を決めたという。

 クラウド移行にあたっては、大規模基幹システムの円滑かつ確実な移行を実施するため、段階的な移行を計画し、第1フェーズとして、2021年10月にマーケティング分析基盤を移行した。そして、そのフェーズでの実績を踏まえ、ノウハウの構築や運用体制の強化などを図り、2022年8月に、販売管理・新顧客基盤を含む残りの基幹システムの移行を完了。AzureとOCIを用いた、マルチクラウドでのシステム稼働を実現させた。

 同社の新システムでは、このマルチクラウド構成により、Oracle Exadata Database Serviceの特長である高い処理性能、可用性、堅牢性を享受しながら、サービス全体のレスポンスを向上させたとしている。

 現在、ベネッセの新基幹システムは移行後4カ月が経過しているが、Oracle Exadata Database Service上で安定的に稼働し、以前のシステムと比べて約60%ものCPUを削減しながらも、性能を維持できているという。また、ライセンスのサポート費用を低減可能な「Oracle Support Rewards」を活用し、コスト最適化も実現したとのこと。

 なお今回の移行作業にあたっては、日本オラクルのコンサルティング部門が設計を支援。アシストは第1フェーズのデータベース構築支援を担当したほか、両社共同で技術面でのサポートを継続的に提供している。

 ベネッセは今後、基幹システムの可用性向上に向け、OCI上でのDR(ディザスタリカバリ:災害対策)環境構築を予定するとともに、現在はオンプレミス環境にあるシステムも、OCIを含むクラウドへの移行も検討しているとのことだ。